高砂会「鴛鴦襖恋睦」「建礼門院」
第3回高砂会 2026年8月
知人主催の集まりで、人間国宝・4代目中村梅玉一門の勉強会へ。歌舞伎座などでは支える立場の弟子たちが、25年祭となる大旦那、6世中村歌右衛門ゆかりの演目を披露する。2日間、3公演にわたる大役、さぞプレッシャーだと思うけど堂々たるもの。観客は応援モードだし。
物販コーナーに中村莟玉が立ち、写真撮影に応じるサービスは勉強会ならではのお楽しみだ。振付・指導は藤間宗家の勘祖、勘十郎。日本橋公会堂(日本橋劇場)の2列目といういい席で8000円。休憩を挟んで3時間弱。
「鴛鴦襖恋睦(おしのふすま こいのむつごと)」、通称おしどりは歌右衛門が、1954年の自主公演で復活した演目とのこと。古風ななかにも、羽ばたく振りやヒラヒラ羽根へのぶっかえりが楽しい。前半「相撲の場」は3人が舞台中央からせり上がり、ゆったりと長唄舞踊。遊女喜瀬川(梅寿が柔らかく)を争い、二枚目の河津三郎(2023年入門の梅大)と赤っ面の荒若衆・股野五郎(2025年に名題昇進の梅秋)が相撲をとる。負けた股野が鴛鴦を狩って、河津に血の毒をもる計略を語り、後半「鴛鴦の場」では常磐津にのせ、狩られた鴛鴦夫婦の精(梅大、梅寿)が現れて股野を翻弄する。
続いて中村梅玉、莟玉が挨拶。梅玉が「傘寿って言うなよ」と笑わせ、今回の演目への思い、関係者への感謝などを洒脱、丁寧に。
休憩を挟んで、「平家物語 建礼門院」から洛北大原寂光院。新国劇「王将」で知られる北条秀司作の新歌舞伎だ。1969年に歌右衛門の建礼門院徳子、2世中村鴈治郎の後白河法皇で初演し、8世福助時代の梅玉は高倉帝で出演したとか。今回はなんと31年ぶりの上演で、川崎哲男(元松竹常務で東京交響楽団理事長の岡崎哲也)が演出。難しい会話劇だけど、セリフがわかりやすくて引き込まれた。
舞台は山奥の寂光院。幕が開くと、おぼろに花が咲き乱れる書割(新制作!)が美しい。壇ノ浦の合戦後、心ならずも生きのびた建礼門院(梅乃)が隠棲するところへ突然、舅の後白河法皇(梅蔵)が訪ねてくる。
法王は源平の戦乱をあおったものの権力を掌握できず、深く悔いて門院に詫びる。門院は激しく反発するが、やがて法王を赦し、すがすがしい表情に。平清盛の娘に生まれ、高倉帝に嫁いで栄華を極めたお嬢様が、平家滅亡の辛酸をなめ、我が子・安徳帝を死なす悲劇をへて、恩讐を超えていく…
1995年に歌右衛門と島田正吾が上演した際、1964年生まれの梅蔵は舞台上で花びらを散らしながら、感動していたという。粘り強い芸の継承に感嘆。ちょっとしたハプニングをものともせず。右京太夫に中村魁春門下の春江が助演し、阿波内侍に梅寿。附け打ちで山崎徹、長唄三味線に鳥羽屋里松の姿も。カーテンコールでは俳優全員で挨拶となりました。
客席には歌右衛門の芸養子で、人間国宝の中村東蔵さんや一中節宗家・都一中さんもいらして、華やかでした~



































