歌舞伎

「三人吉三巴白浪」「二人静」

芸術祭十月大歌舞伎  2019年10月

即位礼の祭日に夜の部へ。歌舞伎座では15年ぶりという通し狂言の「三人吉三」を、松緑、愛之助、松也のハツラツとした配役で。黙阿弥節の、しょうもない人間の浅はかさが、歌舞伎らしくていい。玉三郎の能舞踊も見応え十分です。中央前の方のいい席で1万8000円。休憩2回を挟んで4時間。

序幕は名場面・大川端庚申塚の場で、2010年に菊五郎、吉右衛門、亡き團十郎の大顔合わせ、また2016年には菊之助、海老蔵、松緑で観ている。今回はお嬢が梅枝と交互出演の松也で、男っぽいながら色気があり、笑いもいい呼吸だ。お坊の愛之助もボンボンらしくて格好いい。二枚目ぶりが仁左衛門さんに似てきたかな。兄貴分の和尚は松緑。
二幕目以降はシネマ歌舞伎で、コクーンの串田版を観たことがある。ワルだけど単純な若者3人が、百両と脇差「庚申丸」、そして犬のたたりをめぐって、どんどん運命にからめとられていく。まず割下水伝吉内の場で、伝吉(歌六)と娘おとせ(夜鷹だけど可憐な尾上右近)、恋仲になった十三郎(コミカル封印で上品な巳之助)の因縁が語られる。歌六は元悪党の雰囲気をのぞかせて凄み十分。続く本所お竹蔵の場では、お坊がそんな伝吉を手に掛けちゃう。
お弁当休憩後の三幕、巣鴨吉祥院本堂の場は、荒れ寺がいよいよ殺伐。堂守(達者な坂東亀蔵)のひょうきんさに、しばし息をつく。もう逃げ切れないと、共に死を決意するお坊とお嬢の怪しさ、無頼なりに和尚を慕うピュアな感じにゾクゾク。盆が回ると裏手墓地の場。なんと和尚が、まさにおとせ、十三郎を手に掛けようとする浮世絵のようなシーン。水を飲ませたりして、無茶苦茶だし凄惨なんだけど、松緑の持ち前の暗さが効果的で、なんだか切なくなる。これはこれで名場面。
大詰・本郷火の見櫓の場は雪の立ち回りと、八百屋お七の見立てで、お嬢が禁断の太鼓を打ち鳴らす。いやー、面白かった…

休憩を挟んでラストはお約束、玉三郎オンステージ。一転して、世阿弥の能をベースにした伝統美あふれる「二人静」だ。シンプルだけど目が離せない緊張感。
まず晴れ晴れとした松の幕を背景に、上手に長唄囃子連中、後方に笛、小鼓、大鼓。春の吉野の菜摘川に、勝手明神に仕える若菜摘(児太郎)がやってくると、すっぽんから静御前の霊(玉三郎)が登場、回向してほしいという。共に能らしく、ふっくらした着付けで、春の花が咲き乱れる「色入り」で若々しい児太郎、銀に秋の草花をあしらった玉三郎と、対照的な衣装が、きらびやかで目を奪われる。
霊が若菜摘の肩に触れて乗り移ると、名白拍子だった静御前なら、と神職(彦三郎が朗々と)が舞を所望。いったん厳かなすり足で引っ込んだ後、いよいよ2人が白い長絹に烏帽子、緑の扇で再登場。幕が上がって舞台奥には竹本連中、箏曲連中まで加わる。豪華です。「しづやしづ」の舞になり、2人がぴたりとシンクロ。扇で波を表したりして、実に見事。そっくりの動きなんだけど、目線なんかが微妙に違うのも興味深い。
正直、児太郎さんは色気が今ひとつかな、と思うんだけど、絶賛強化中ですねえ。12月にはなんと阿古屋第2弾もあるとのことで、頑張りどころなのかな。楽しかったです!

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月光露針路日本 風雲児たち

六月大歌舞伎 夜の部  2019年6月

雨まじりの歌舞伎座。あえて昼の重厚な古典ではなく、幸四郎が座頭を務める夜の新作を鑑賞した。三谷かぶき「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)風雲児たち」。みなもと太郎の漫画を原作に、三谷幸喜が作・演出。天明2(1782)年、嵐でロシアに漂着し、十年かけて帰国を果たした船頭・大黒屋光太夫の苦難を描く。
笑いたっぷりなんだけど、運命に抗う普通人の気概、それでも叶わないこともあるという過酷が、終盤で思いがけず胸に迫ってきて、「俊寛」さえ思わせる。三谷作品の経験がある座頭・幸四郎、猿之助、愛之助がイキイキと舞台を牽引。特に愛之助は昼が封印切の八右衛門で、大活躍だ。染五郎、種之助(歌昇の弟)ら若手も見せ場があり、そのチャレンジする姿勢と熱気が気持ちいい。花道手前の良席で1万8000円。休憩2回を挟んで3時間半強と展開もスピーディー。

プロローグで、眼鏡にスーツ、やたら格好つけた「教授風の男」(松也)が花道から現れ、家康の一本帆柱などを解説。歌も客席いじりも堂に入ったコメディアンぶり。贅沢な配役だ。続いて1幕は嵐の後、あてどなく漂流する神昌丸の甲板。不平ばかり言う庄蔵(猿之助)、2枚目だけど沢庵を独り占めしちゃう新蔵(愛之助)がさすがに目立つけど、徐々に17人のキャラが明らかに。三谷群像劇らしい。そのなかでリーダー光太夫(幸四郎)は、皆を励まそうと御籤を始めるが、逆効果になっちゃって頼りない。
やがて先住民が幅を利かすアリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。帰国のすべを求め、2幕にかけて厳寒のカムチャッカ半島、オホーツク、ヤクーツクと西へ西へ移動していく。数年に及ぶ過酷な流浪生活で、仲間は次々に命を落とす。なかでも懸命に炊事役を務めてきた与惣松(種之助)の最期が切ない。
それでも光太夫は「生き残るのは、必ず生きて帰ると強い意志を持つ者だ」と喝破し、役人とも交渉。どんどんリーダーらしく、頼もしくなっていくのが、しっかりと長大な物語の軸になっている。要領の悪かった若者・磯吉(染五郎)は通訳を務めて成長し、年増の恋人アグリッピーナ(白鸚の部屋子・高麗蔵)を振り切って光太夫につき従う。りりしい! 
盛り上がるのはイルクーツクを目指し、犬ぞりで雪原をひた駆けるシーン。犬たちはまるでMAN WITH A MISSIONで、けっこうリアル。庄蔵が振り落とされたりしてスペクタクルだ。

3幕のイルクーツクに至ってようやく、ロシア政府から宿舎を与えられ、光太夫は有力者と懇意にして小金を受けとるようになる。暮らしは安定したものの、長老・久右衛門(彌十郎)は反発し、洋装がすっかり板についた新蔵といえば、長身のマリアンナ(彌十郎の長男・新悟)と付き合い始めちゃう。もう帰国はあきらめるのか?
…と思わせたところでキーマン、博物学者のキリル・ラックスマン(八嶋智人)登場。舞台を所狭しと動き回ってハキハキしゃべり、さすがの存在感だ。ロシア政府は日本の情報が欲しい、逆にロシア情報は流出させたくないから、ロシアにとどまって日本語教師になれと勧めるが、光太夫の決意が揺るぎないことを知り、首都サンクトペテルブルクへ連れて行く。
豪華絢爛の宮殿シーンへの転換が鮮やか。まるっきり宝塚です。秘書官で猿翁一門の最古参、90歳近い寿猿と、女官で上方の大ベテラン、やはり80代の竹三郎、さらにはポチョムキン公爵の白鸚が堂々と。そして待ってました、猿之助の女帝エカテリーナのお出まし! 蜷川仕込みのキンキラキンドレス、そして衣装に負けない貫禄だ。この人、ずっと何かしら小技を見せるけど、やっぱり女傑がいちばんお似合い。謁見した光太夫に共感して、帰国を許す。
とはいえ単純なハッピーエンドでは終わりません。庄蔵(素早い衣装替え!)と新蔵は洗礼を受けてしまい、帰国を断念。しかし望郷の思いに変わりはない。想像を絶する苦難をともにしてきた光太夫と2人との、苛烈な別れに涙。竹本が入り、3人がディスカッションして作り上げたという歌舞伎らしいシーンでした~

エピローグはエカテリーナ号の船上。ずっと素っ頓狂な言動で場をなごませてきた小市(左團次の長男・男女蔵)までが、日本を目前にして力尽き、ついに一行は光太夫と磯吉2人きりになっちゃう。幕切れに忽然と姿を現す富士山。その晴れ晴れした姿の、なんと切ないことか。野田秀樹、いのうえひでのりなどでお馴染み、堀尾幸男の美術が冴えてました。歌舞伎俳優がマイクをつけてたのが不思議だったけど、あまり使っていなかったような… とにかく面白かったです!
受付には紀香さまの姿も。綺麗です。
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團菊祭「寿曽我対面」「勧進帳」「め組の喧嘩」

團菊祭五月大歌舞伎  2019年5月

令和がスタートした10連休、少し風が冷たい最終日に歌舞伎座へ。あえて話題の菊之助長男・丑之助くん初舞台ではなく、昼の部をチョイス。次を担う世代の勢いが感じられ、初夏らしい爽やかな気分になった。演目もわかりやすかったし。中央前の方のいい席で1万8000円。休憩2回を挟んで4時間半も長く感じない。

幕開け「寿曽我対面」はオーソドックスな館のセット、松緑の初役・工藤でちょっと物足りないかな、と思ったけど、なんのなんの、若手に発見が多かった。まず五郎の萬太郎が意外な奮闘。小柄なのがかえって未熟、やんちゃなキャラにぴったりだ。そして歌昇(又五郎の長男)の初役・朝比奈が、イケメンのイメージを覆してユーモラスでおおらかで、すっかり見直しました~ 十郎のお兄さん・梅枝が安定し、大磯の虎の尾上右近、化粧坂少将の米吉は文句なく美形でうっとり。家臣の鷹之資が急速に大人になっていて驚く。平成11年生まれだもんな… 松江さんが見守るなか、玉太郎も頑張ってた。ラストは坂東亀蔵が友切丸を持って駆けつけ、相変わらずよく通る声で舞台を引き締めてました。

そしてお馴染み「勧進帳」。花道に義経・菊之助と弁慶・海老蔵が並んだ瞬間の、ぶっちぎりの華に拍手! 團十郎襲名が決まった海老蔵が、圧倒的に視線を集める。周到な計略とやり遂げる覚悟、そして安堵に至る落差。お化粧も巧いし。はしばしに感謝の思いを感じるのは、見る側の思い込みもあるんだろうけど。対する菊之助は、気品と存在感があって、歌舞伎らしい。富樫は「2月追善の恩返し」で、立て続けに出演する松緑。こちらは独特の屈折が、役に合っていた。幕をひかれる瞬間の苦衷の表情が、強い印象を残す。「紀尾井町」の大向うも多かった。確実にこの3人が中核を担っていくのだなあ、としみじみ。ほかに右團次、九團次、きりっとした廣松(大谷友右衛門の次男)、市蔵。

最後はぐっと世話にくだけて「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)」、通称め組の喧嘩。御大・菊五郎の江戸弁の粋と、大詰めで勢揃いする鳶のいなせが痛快! 1805年に芝神明の境内で起きた乱闘を題材にした竹柴其水作で、1890年初演。講談で聴いて観たかった演目だ。
序幕・島崎楼広間の場は品川の遊郭。力士の四ツ車・左團次、贔屓の家橘、松江らと、火消しの藤松・菊之助、長次郎・坂東亀蔵らが揉める。火消しは血の気が多くて、あっという間に啖呵です。落語みたい。春相撲を開く芝神明は持ち場だからと、頭の辰五郎・菊五郎が詫びて、なんとかその場を収めるけど、実は力士より下に見られたことで悔しさ満載。続く八ツ山下の場で、四ツ車を待ち伏せちゃう。ちょい役の雀右衛門、炊き出しの喜三郎・歌六らとの世話だんまり。
二幕目・神明社内芝居前の場は「義経千本桜」で大賑わいという設定。酔客の始末をめぐってまたしても、鳶と又五郎の力士・九竜山が、七五調でにらみ合うものの、今度は楽善の座元がなだめる。
三幕目は浜松町辰五郎内の場。女房お仲・時蔵がなんと「力士に仕返ししないなら出ていく」と勝ち気っぷりを披露。独特の声で、ますますの貫禄だ。実は辰五郎は三行半だの水盃だの、とっくに覚悟を決めており、相撲が終わるのを待っていた。せがれ又八の亀三郎(彦三郎の長男)が、健気な演技で家族愛を表現。ついに打ち出しの太鼓が聞こえ、辰五郎は半纏に短刀で別れを告げる。
大詰は神明町鳶勢揃いの場で、松也、歌昇らイケメンの火事場装束、菊之助が勢いよく回す纏(まとい)、木遣の掛け声が文句なく格好いい。見事なチームワーク。権十郎の亀右衛門、菊五郎が駆けつけ、順に柄杓の水盃を足に吹き付ける。角力小屋の場でいよいよ大喧嘩が始まり、片岡亀蔵と左近(松緑の長男)の大らかな立回り。喧嘩の場では鳶が次々に屋根に駆け上がる「飛びつき」を披露し、みんな楽しそう! 神明社境内の場に至り、喜三郎がなんと高い梯子にぶら下がって、割って入る。町奉行、寺社奉行の法被を見せて水入りとなりました。面白かった!

ロビー、売店は思ったほど「令和」一色でない印象。宮崎駿さんの丑之助くん祝幕が飾られてました。

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シネマ歌舞伎「桜の森の満開の下」

シネマ歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」 2019年4月

2018年11月に再々々演を観た野田秀樹の代表作を、自ら歌舞伎化。2017年夏に評判をとった舞台をスクリーンに移した。こうして観るとキッチュさや夜長姫の2面性など、非常に歌舞伎向きの演目で、面白い。荒唐無稽なストーリーも、現代版よりわかりやすいかも。新宿ピカデリーの最後列で2100円。約3時間。

とにかくステージいっぱいの桜と、鬼の面が歌舞伎そのもので違和感がない。セリフは戯曲の遊び心を生かしつつ、七五調にのせていた。夜長姫の七之助が、ピュアと残酷を自在に行き来し、女形の特質をおおいに発揮。耳男の勘九郎は振り回されキャラがぴったりで、健闘。ほかにオオアマの染五郎(現幸四郎)、早寝姫の梅枝が伸び伸び。マナッコの猿弥、エンマの彌十郎、ヒダの王の扇雀らが盤石だ。
どうしても見え隠れする勘三郎の存在、そしてアリア「私のお父さん」が染みます。

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積恋雪関扉

平成31年3月歌舞伎公演 2019年3月
桜がふくらんできた国立劇場、小劇場の歌舞伎公演へ。前半「元禄忠臣蔵」後の休憩で到着し、お目当ての後半「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」のみ鑑賞。約90分と、時代物舞踊の大曲だけど、洒脱でコミカル、かつ歌舞伎らしい不思議演出が満載で、変化に富む。次代を担う初役3人、特に菊之助が意外に野太い荒事立役で、愛嬌もあって頼もしい! 花道外、割と前の方で9800円。
浅葱幕が落ちると、雪景色の逢坂山に、季節外れの「小町桜」が咲き乱れていて、のっけから超ファンタジー。下手に浄瑠璃・兼太夫、三味線・文字兵衛ら常磐津連中が陣取る。
物語は平安初期の六歌仙にちなみつつ、江戸の風情を古風に見せていて楽しい。上の巻ではまず、居眠りから目覚めた関守・関兵衛(菊之助)が、木こりの扮装で貫禄をみせる。三味線で表現する琴の音にのり、花道からありえない赤姫姿、可憐な小野小町(期待の梅枝)が登場し、通す通さないの呑気な問答、さらに「生野暮薄鈍(きゃぼうすどん)=野暮」の当て振りをゆったりと。江戸の宴会のヒット曲なんですねえ。初代中村仲蔵の型をかなり残しているそうです。
小町と、侘び住まいしている宗貞(後の僧正遍昭、萬太郎は30にしては幼い印象)が再会し、二人の仲を冷やかす関兵衛をまじえて、おおらかに「そっこでせい」の手踊り(長唄風の踊り地)となる。3人ずれつつポイントでは合うのが醍醐味とか。関兵衛、お茶目です。
しかし一人になった宗貞に鷹が運んできた片袖は、なんと兄の身替りとなった弟・安貞の遺品で、さらに歌舞伎らしい小道具の謎解きが重なって、関兵衛の正体が天下を狙う大伴黒主と判明。知らせに小町が都へ急ぐところから下の巻へ。
宗貞は袖を琴に隠し、弟を弔う。関兵衛はそんな宗貞を追い払い、ひとり酒盛り。セリフを常磐津が語り(付けぜりふと仕形舞)、作り物の星が降りてきて大盃に映る星占いから、国崩しの素顔を現す。いよいよ謀反の好機と、大マサカリを振り回すと、後方の桜のウロに、傾城墨染実は小町桜の精の姿が怪しく浮かび上がる。2役の梅枝はもちろん、映像で観た歌右衛門とは別物で、色気は今ひとつながら、前半とは一転、この世のものではないスリスリ歩きで健闘。これが古怪というものか。
すががきの音で、花魁道中など郭の風俗をひとしきり華やかに踊った後、ついに墨染が夫・安貞の仇である黒主に詰め寄り、2人して怒涛のぶっ返り! 空気ががらりと変わって、大詰は激しい立ち回り(所作だて)だ。黒装束の黒主が真っ赤な舌を見せて大マサカリを振りかざせば、乱れ髪に鴇色の小袖に転じた桜の精は見事にエビ反り。盛んに掛け声がかかり、2段にきまって幕となりました。充実!
ロビーには加山又造「おぼろ」の陶板(大塚オーミ陶業製)が飾られてました。

歌舞伎「姫路城音菊礎石」

初春歌舞伎公演 通し狂言 姫路城音菊礎石(おとにきくそのいしづえ) 2019年1月

2019年観劇初めは、国立劇場の初日初体験と、初づくしだ。吉例音羽屋まつりで、お孫ちゃん2人も出演するとあって、劇場全体が親戚の新年会のように温かい雰囲気。大向うも盛大です。
開場前の行列に驚いていたら、鏡開きの場所取りなんですね。振る舞い酒に、曲芸や獅子舞、ロビーには歌舞伎キャラの羽子板も。国立劇場大劇場、花外の2等A席でお得な4900円。小刻みな休憩3回で約4時間。
演目は国宝姫路城の鬼女伝説、狐の報恩譚、播磨のお家騒動をからめた並木五瓶「袖簿播州廻」(初演1779年)がベースで、登場人物が多くけっこう複雑。「闇梅百物語」(初演1900年)の鬼女は、尾上家の新古典演劇十種に数えられているそうだ。大きな舞台を目一杯使い、晴れ晴れした姫路城、菊之助、梅枝の姿の良さ、そして孫たちの役者ぶりが見ものです。
導入はお家騒動の発端。曽根天満宮境内の場で、忠臣・源吾(小柄な萬太郎が活躍、時蔵の次男)が、桃井家の嫡男・陸次郎(美しい梅枝)の郭遊びを諌めるよう、双子の弟・八重菊丸(梅枝2役)に頼む。
続く姫路城内奥殿の場は、善悪の2転3転をテンポよく。将軍上使の兵庫之助(立派な時蔵)と播磨大学(片岡亀蔵が安定の憎々しさ)が陸次郎の遊興を責め、家老・内膳(立派な菊五郎)がとりなし、弟・大蔵(彦三郎)の罪にすると見せて、実はスケールの大きいワル。手水鉢に仕込んだ毒で陸次郎はあえなく落命、傾城尾上(美しい尾上右近)に2人の愛息・国松を託す。
姫路城外堀端の場は不穏な夜。重臣・主水(松緑、近くで見ると顔の小ささが際立つ)が内膳と間違って、駕籠に乗った城主・桃井修理大夫(楽善)を槍で討ち、罠にはめた内膳にあっけなく成敗されちゃう。
ランチ休憩を挟んで姫路城天守の場は、月が出て幻想的に。桃井家断絶で封鎖された城に、妖怪出没の噂がたつ。若武者・弓矢太郎、実は桃井家家臣の純太郎(菊之助)が退治に乗り込むと、妖怪ではなく、十二単・緋袴の後室・砧の前(時蔵)、腰元に扮した八重菊丸らが立てこもっていてびっくり。純太郎はお約束、重宝・東雲の香炉を盗んだ敵の大学を討ち、八重菊丸を預かる。
休憩後は気分を変えて、明るい舞子の浜から。百姓・平作、実は死んだはずの主水、その妻お辰(菊之助)が、妹の尾上と若君・国松(可愛い寺嶋和史)を匿っている。
続く大蔵谷平作住居の場は、やけに登場人物が多く、対話が続いてダレ気味。訪ねてきた旧臣・新平(凛々しい坂東亀蔵)が主水の過誤を責め、ワルの内膳家来・判蔵(橘太郎)も国松の首を要求。主水は迷子の福寿(ちょっと大人の寺嶋眞秀)を身代わりにと考えるが、主水の正体は桃井家に恩ある与九郎狐で、福寿はその息子と判明。妻の小女郎狐(菊之助)がポンッと飛び出し、尾上神社(謡曲「高砂」に登場)の鐘(重文だそうです)を守る使命を伝えるので、やむなく狐親子は去る。
尾上神社鐘楼の場は一転、いっぱいの紅葉が美しいスペクタクルへ。お辰・国松が逃げ込み、与九郎が大活躍で大蔵、伴蔵を撃退。通力ですべては内膳の企みと知れる。
短い休憩の後、怒涛のクライマックス。印南邸奥座敷の場で行方不明だった跡取り・八重菊丸と忠臣・源吾が現れ、ワルの内膳が香炉を渡すが、真っ赤な偽物。パンッと桃の花びらが飛び散り、萬太郎さんが驚くのが可笑しい。内膳がついに国崩しに転じて拍手! 正体は前の城主の息子で、復讐と城奪還が目的と明かす。
大詰・播磨潟浜辺の場は舞台を埋め尽くすフワフワの桜、見上げる真っ白な姫路城が輝かしい。桃井家一同に旧臣・三平(松緑)、灘平(彦三郎)が加わって、ずらりと並び、渡りセリフでお家再興を宣言。なんと幼い国松が健気にも、「後日の戦場での再会」を約し、内膳が三段に上って格好良く幕となりました。

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歌舞伎「阿古屋」「あんまと泥棒」「二人藤娘」

歌舞伎座百三十周年 十二月大歌舞伎 夜の部 2018年12月

クリスマスは歌舞伎見物。玉三郎が昭和の歌右衛門から受け継ぎ、平成では一手に上演してきた阿古屋を、いよいよ後輩の梅枝、児太郎に手渡す話題の公演だ。今回は極付Aプロ玉さまバージョンを選択。前のほう中央のいい席で1万8000円。休憩2回で3時間半。
眼目の「壇浦兜軍記 阿古屋」は2015年にも観たけれど、今回の三曲のほうがしっとりと、そして気持ちが伝わってきた気がする。さらに進化しているということか。いっそ殺せと三段の上できまるシーンの大きさ、艶やかな孔雀の俎板帯も圧巻。捌き役・重忠の坂東彦三郎がキビキビしたセリフ回しでまたいい。菊五郎、羽左衛門につながる家だものなあ。人形ぶりの敵役・岩永はギョロ目がうってつけの松緑。
ちなみにBプロは梅枝、児太郎が交互に阿古屋を演じ、玉さまがなんと岩永に回るのも話題で、人形ぶりを玉男に習いに行ったとか。さすが驚かせます。
休憩後は一転、徹底して貧乏くさい「あんまと泥棒」。すごい落差だなあ。ラジオドラマを17世勘三郎の希望で、1966年に舞台化したそうで、ずる賢いあんまがこそ泥の鼻をあかす話。歌舞伎らしくないけれど、癖の強い中車がはまり役だ。中村嘉葎雄の演技がベースだそうです。
あんまの秀(中車)の貧乏長屋に泥棒権太郎(松緑)が押し入り、期限一昼夜の高利貸し・烏金(からすがね)の稼ぎを出せと凄む。焼酎を飲み始めると「らくだ」よろしく、酔うほどに立場が逆転し、秀はいかに座頭が図太いかと説教。権太郎は切々と身の上を語り、ついには秀の出まかせに同情して2朱を恵んじゃう。大活躍の松緑も人の良さがいい感じ。
追い出しは長唄舞踊「二人藤娘」。藤十郎、玉三郎で観た舞踊の2人バージョンで、2014年初演だそうです。舞台いっぱいの松と藤の花がまず艶やか。Bプロで阿古屋に挑戦している梅枝と児太郎の藤の精が、同時に舞台と花道に登場して目を奪う。衣装の色のコントラストも美しい。藤音頭、ほろ酔いから軽妙な手踊りへ。2人とも若く華やかだけど、姿の良さは梅枝が一枚上かな。
今年の歌舞伎も話題満載でした~ 客席には政治家一家の姿も。

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南座「寿曽我対面」口上「勧進帳」「雁のたより」「毛抜」「連獅子」「封印切」「鈴ヶ森」

南座発祥四百年 南座新開場記念 當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎  2018年11月

3年の改修をへて復活した日本最古の劇場へ、2008年以来の遠征。松嶋屋、成駒家の関西勢+1月から続いた高麗屋3代襲名の仕上げであり、折しも紅葉狩の賑わいと、華やか尽くし。思い切って1泊2日の観劇とし、大充実! なんと2日とも最前列中央あたりの特等席で、心のこもった「連獅子」に感動。2万5千円。
1日目は夜の部で、休憩3回を挟み約4時間半。まず顔見世らしく、ド派手な「寿曽我対面」を松嶋屋組で。席が前過ぎてずらり並んだメンバーが見渡せなかったけど、軸の工藤は安定の仁左衛門。兄弟を呼び入れる舞鶴の秀太郎が、2月に拝見したときより復調していて嬉しい。家臣・近江の亀鶴(藤十郎一門)が相変わらず声が通り、化粧坂少将の壱太郎が貫禄がついて、とても良くなった。十郎・孝太郎、五郎・愛之助は大人しかったかな。
短い休憩後の口上は、高麗屋3代を挟み、藤十郎、仁左衛門だけのシンプルな形。藤十郎さんはちょっとキツい。
30分の休憩の後は、お約束「勧進帳」。席のおかげで弁慶・幸四郎の奮闘が手に取るように感じられ、長唄囃子連中も迫力があって楽しい。義経の染五郎は色っぽすぎかな~ 富樫はもちろん白鸚、後見は廣太郎(大谷友右衛門の長男)。
短い休憩を挟んで打ち出しは上方狂言「雁のたより」。初めての演目だけど、鴈治郎にゆとりがあって、とても良かった。天保元(1830)年、金澤龍玉作の他愛ないコメディ。有馬の湯でトンデモ若殿(亀鶴が活躍)が花車お玉(秀太郎がお達者)家来たちとうだうだしている。愛妾司(壱太郎が存在感)が宿近くの粋な髪結・五郎七(鴈治郎)に気があると知り、罠にかけて散々な目に遭わせる。
五郎七は半道という、格好いい三枚目。司からのニセの呼び出しに「おいでた、おいでた」「やつしていかないかん」と浮かれたり、司の詫びの手紙に「お玉どーん、まーたかいな」とぼやいたり、実に伸び伸びと楽しい。髪結床のシーンでは常連客で幸四郎がご馳走。勧進帳で疲れたと嘆き、なんと花道の引っ込みを間違えてやり直し。子役もあたふたしてた。終幕は家老(市蔵)が槍をふりかざすと五郎七が一転きりっとして、実は甥の武士・与一郎、しかも司は許嫁と判明して大団円。
2日目に昼の部。休憩3回でたっぷり5時間だ。まず「毛抜」で、左團次が家の芸・弾正をおおらかに。秀太郎(壱太郎)、腰元・巻絹(孝太郎)をキャラそのままに口説いちゃって振られ、「面目次第もござりませぬ」、腹ばい頬杖の見得など愛嬌たっぷり。善玉の民部は高麗蔵(初代白鸚の部屋子)、悪玉の玄蕃親子は亀鶴と廣太郎、奇病にかかる姫は男寅(左團次の孫)。
休憩を挟んで黙阿弥作の松羽目「連獅子」。実はちゃんと観るのは初めて。色男といっても13歳の染五郎がいっぱいいっぱいで、それを見やる幸四郎の親心が間近に感じられ、躍動感の中に切なくて感動。
長唄囃子をバックに、まず手獅子を持った狂言師(幸四郎、染五郎)が、文殊菩薩の霊地・清涼山の様子を語り、霊獣獅子が子を谷に突き落とし、子は花道から片足飛びで這い上がる。間狂言で浄土の僧(鴈治郎)と法華(天台)僧(愛之助)が滑稽に太鼓と鉦で宗論を語り、後半はいよいよ親子獅子が登場。牡丹、蝶と戯れ、豪快な狂い。格好いいぞ!
ランチ休憩の後はお待ちかね「恋飛脚大和往来」から「封印切 新町井筒屋の場」。おえん(昨夜に続き秀太郎が元気で嬉しい)に手引きされ、塀外で忠兵衛(仁左衛門)と梅川(孝太郎)がじゃらじゃらするのが、和事らしい。井筒屋に戻って、八右衛門(鴈治郎)の悪口がネチネチと実に嫌らしく(カネのないのは首のないのと同じ!)、忠兵衛が我を失うのに説得力がある。クライマックスの松嶋屋型は「辛抱立役」だそうで、二階から駆け下りてカネならあると見栄を張り、追い込まれ意を決して公金に手を付けちゃう。いわば確信犯で、愚かな衝動というより、なけなしのプライドなのか。終盤の身請けの祝いが悲しい。
仕上げは南北作「御存 鈴ヶ森」。愛之助が白井権八をユーモラスに。そして満を持して白鸚の幡随院長兵衛が楽しげに。あ~、面白かった!
新しくなった南座は、歌舞伎座に比べると規模は小さいながら、華やかなまねきのライトアップや、折り上げ格天井、アールデコの照明シェードなど大正モダンな感じが、いい味わい。大充実でした!

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歌舞伎「金閣寺」「鬼揃紅葉狩」「河内山」

秀山祭九月大歌舞伎  2018年9月

播磨屋の練達の芸に加え、歌右衛門襲名を控えて病に倒れた福助が5年ぶりの復帰という話題もあって、昼の部に足を運んだ。歌舞伎座前方中央のいい席で1万8000円。休憩2回でたっぷり5時間弱。

幕開きはお馴染み「祇園祭礼信仰記 金閣寺」。文楽で2回、歌舞伎でも2016年雀右衛門襲名で鑑賞した、見どころ満載の演目だ。松緑の松永大膳は2枚目で、国崩しにしては優しい感じ。赤面の弟・鬼藤太、坂東亀蔵がいつもながら朗々として気持ちがいい。対する瓢箪柄の羽織の真柴久吉、梅玉はさすがにお年は隠せないものの、ノリ地のセリフ対決、そして井戸から碁笥を取り出すシーンと、古風さがいい風情だ。直信・幸四郎の極端ななよなよぶりに驚いた後、福助の長男・児太郎演じる雪姫が、桜の花びらがどさどさ散る名シーン「爪先鼠」で健闘。色気は今ひとつながら、はすに構えた決めポーズ、名刀に顔を映して髪を直す引っ込みまでを丁寧に。
大詰めはセリ下げで、ついに慶寿院尼・福助が登場。セリフもあって客席は涙涙だ。ラストは小田軍勢で、福助の甥にあたる橋之助と福之助をはじめ左団次の孫・男寅、松江さんの長男・玉太郎が若々しく揃って幕となりました。

ランチ休憩後は松羽目の舞踊「鬼揃紅葉狩」。萩原雪夫作、1960年初演だそうです。能楽「紅葉狩」をベースにした作品は、玉三郎版の舞踊や文楽で観たことがあるけれど、本作はそれと比べてもかなり賑やか。
舞台は戸隠山。囃子方を中央奥に、上下に常磐津、竹本が陣取る。平維茂(古風さが映える錦之助)と従者(廣太郎、隼人)が、更科の前(幸四郎、ちょっとごついかな)、侍女たち(ベテラン高麗蔵、可愛い米吉、大活躍の児太郎、澤村宗十郎の部屋子・宗之助ら)に誘われて、酒を酌み交わし舞を楽しむ。2舞扇が贅沢だ。男たちがうたた寝したところで間狂言となり、男神(玉太郎)、女神(東蔵)の祖父・孫コンビがきびきびと、主従に危難を警告。御簾内の大薩摩が盛り上げる。後半は維茂たちが山奥の古塚に至り、正体をあらわした鬼女、眷属との立ち回りに。侍女たちが全員鬼に変じるのが特徴だそうで、がんがん毛振りするのにびっくり。皆さん、がんばりました!

短い休憩の後、お待ちかね「天衣紛上野初花 河内山」。2015年の海老蔵が良かったけれど、本家・吉右衛門の貫禄、愛嬌の絶妙バランスと、緩急自在の黙阿弥節、ワキも充実していて大満足だ。
序幕・上州屋質見世から、木刀で50両借りようとする河内山の人を食った感じがチャーミング。「ヒジキに油揚げ」などのセリフが笑いを誘う。後家おまき(貫禄の魁春)が娘の危難を打ち明け、親類の和泉屋(粋な歌六)が前金100両を渡す。回り舞台で2幕目松江邸広間の場へ。トンデモ松江候(幸四郎、チャレンジしてます)とワルの大膳(吉右衛門の部屋子・吉之丞)対、浪路(米吉)、数馬(凛々しい歌昇)、家老・高木(歌六の弟・又五郎が安定)の関係を見せる。
続く書院の場で寛永寺の使僧に化けた河内山が乗り込んでくる。思い切りわざとらしく取り澄ましておいて、松江候を脅し、家臣にカネを要求。時計の音に驚くあたり、憎めないなあ。大詰め玄関先の場でホクロから正体がバレてからが真骨頂。開き直っていく七五調のスケール、権威をものともしない痛快さ。江戸を堪能しました!

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切られの与三

渋谷・コクーン歌舞伎第十六弾 切られの与三 2018年5月

2008年以来5度目のコクーン歌舞伎。いつもの串田和美の演出・美術に、補綴として木ノ下裕一を起用、名場面の後日談が新鮮だ。立役に挑戦した七之助の、不安定で繊細な個性が光る。幅広い観客が集まったシアターコクーン、かなり前のほう下手寄りで1万3500円。休憩を挟んで3時間。
原作は三代目瀬川如皐(じょこう)による、1853年(黒船来航のころなんですね)江戸中村座初演作「与話情浮名横櫛(よわなさけきなのよこぐし)」。2015年に玉三郎・海老蔵コンビで観て、2人の色っぽさが印象的だった演目だ。
今回は歌舞伎の名シーン「源氏店(げんやだな)」は4場でみせてしまい、その後、12場まで続く意外な構成。歌舞伎に先立つ落語などを参考にしているとか。与三郎が強請り、殺し、島送りと、どんどん転落していく。その間に運命の女・お富と何度もめぐり逢い、また別れる。正直ややダレ気味のストーリーなんだけど、俳優の魅力と演出のメリハリで飽きさせない。
島抜けしてまで執着した江戸に戻った与三郎が、都市の雑踏で感じる疎外感。刹那に生きる若者の孤独が、なんとも現代的だ。だからこそ古典のお約束、忠臣の自己犠牲で傷を癒やすというご都合主義を、あっさり覆してみせるラストが爽快。ぱあっと視界が開けて、生きてきた証のように傷を引き受けた与三郎の、七五調の名台詞が観るものを揺さぶります。木下ワールドだなあ。
ワキ陣が節目で講釈師となり、筋を解説するのがわかりやすい。上下でDr.kyOn(元ボ・ガンボス)率いるバンドが、ライトモチーフさながらピアノとウッドベースでジャズ風に演奏するのもいい疾走感だ。附打の山崎徹は完全にパーカッショニスト。
与三郎の七之助が期待通り、見た目は凄みがあっても中身は甘ったれの若旦那、という切なさを存分に。八代目團十郎が作った役なんですね。幼いころの隠れんぼのまま、ずっと坊ちゃんを探し続ける下男忠助(笹野高史)の存在が効いている。お富の梅枝も古風な佇まいのなかに若さがあり、性悪だけど、男に頼らなければ生きていけない哀しみがにじむ。「きっとあるはずだよ。お前の居場所がサ。うらやましいねェ、お前は走れるんだもの」
もちろんワキは安定。笹野は与三郎とつるむ小悪党・蝙蝠の安と2役。ほかにお富の兄・和泉屋と終盤のキーマン・久司に扇雀、木更津の親分・赤間に自由劇場の真那胡敬二、その子分と和泉屋の藤八に亀蔵。
こうだったはずの与三郎ともいえる弟・与五郎、萬太郎(梅枝の弟)は、声が通って頼もしい存在だ。その嫁・おつるは鶴松だけど、女形向きではないかな。
ロビーは和菓子などの売店が多くてウキウキ。知人に何人か遭遇。時蔵さんの姿も。

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