パフォーマンス

トーテム

ダイハツトーテム東京公演  2016年2月

5回目のシルク・ドゥ・ソレイユ、2月から始まった日本公演「トーテム」に足を運んだ。脚本・演出ロベール・ルパージュ。家族連れなどでいっぱいのお台場ビッグトップ、SS席で1万3500円。浮き浮きとボールペンなどグッズ3300円を買い、フェイスブックと連動した写真を撮り、ビールとポップコーンなどつまみ3000円を抱えて席に着く。30分の休憩にアイス600円をぱくついて、合計2時間半。
以下、ネタバレを含みます。

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鶴瓶噺

鶴瓶噺2015  2015年6月

笑福亭鶴瓶が一人でほぼ2時間半、ノンストップでほぼ立ちっぱなし、喋りっぱなし。「パペポTV」伝説を持ち出すまでもなく、まさに独自ジャンルの話芸ライブに、初めて足を運んだ。世田谷パブリックシアター2F上手端で6000円。

いつもの半ズボン、スニーカー、ピンマイクで登場し、「あいつ変わっとるで~」と言いながら、「敏腕」マネジャーの不思議な言動(ご本人も登場。なんと横綱・日馬富士のマネジャーもしているとか)から始まって、ロケ先、移動中に遭遇した、芸能人に普通に話しかける人々、オセロの松嶋さんら常識外れの芸人仲間、何を言っているのかわからない妻との会話、さらには自分の番組収録中のあせりまくった失敗談などを、よどみなく語り倒す。ごくごく日常の、断片的なエピソードの連続なんだけど、この人にかかると何故こんなにも気持ちよく笑えるのか。
たぶん自分でも言っていたように、持ち前のオープンマインドゆえなんだろう。ホテルや道端で、ちょっとすれ違った人のひと言もすべて面白がっている。観察し、ネタにするんだけど、そこに苛立ちとか批判とかが微塵もなく、常に相手を受け入れている感じ。チャーミングな人だなあ。忙しいのによく、いろんな人と付き合ってるし。

終盤30分ぐらいで、今年の通しテーマらしい師匠・6代目笑福亭松鶴の思い出を語る。1986年没から30年、芸人らしい豪放エピソードは色あせていない。今回発掘したという生前の姿や、病床で綴っていた鶴瓶にまつわるメモなどの映像を流した後で、噺家の先達から教えられたこと、人にきちんと挨拶し、誠実に日常を生きる、というセリフでほろりとさせて〆。幕切れの照明が綺麗。あ~面白かった。

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自作自演 立川談春×前川知大

芸劇+(プラス)トーク異世代作家リーディング「自作自演」<第10回>  2014年12月

観劇の番外編で、世代の違う作家2人による、自作朗読と対談のイベントに足を運んでみた。出演は豪華に、立川談春と前川知大。当代きっての噺家と、新作を観たばかりの新進劇作家という組み合わせは意外。トークでは互いに職人の息子だってこと、それからどうも理屈っぽい物言いが共通してたかな。かなりのファンが集まった感じの、東京芸術劇場シアターイーストの真ん中いい席で3000円。

冒頭にお2人と司会が登場。前川の緊張をほぐそうと、談春さんがひとしきり笑わせてから、まず前川が自身の脚色による「地下室の手記」を読む。昨夏、カタルシツ公演で観た演目の冒頭だ。
今年の蜷川演出では、恒例の「作者読み」を体験して大変だったとか。確かにリーディングはちょっとぎこちない。本作は2015年2月に改定上演の予定だそうで、楽しみだ。
続いて談春が芸劇での「談春七夜」の思い出とか、2005年執筆当時の心境を語ってから、単行本「談春 古往今来」収録の1編「春宵一席。立川談春書き下ろし申し候。」を読む。噺家らしき男が今どきの前座を叱咤激励。さすがに巧い。

休憩後はトークショーになり、談春が昨年、舞台に出演したとき、共演のイキウメ・大窪人衛に励まされた縁とか、どういう経緯で今の仕事を選んだとか、をつれづれに。質問コーナーもあって、談春さんが上手に盛り上げ、まとめてました。

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覇王別姫

京劇「覇王別姫(はおうべっき) 漢楚の戦い」  2014年5月

初めての京劇を天津京劇院で。女形スター、梅蘭芳(メイ・ランファン)の生誕120周年事業として、彼の代表作を上演したそうです。衣装は極彩色ながら、演劇パートやセットはいたってシンプルで、全体に素朴な芸能という印象。中国文化関係者らしい年配のかたが目立つ東京芸術劇場 プレイハウス、中ほどやや上手寄りの席で8500円。休憩を挟み2時間。

時は紀元前202年。「史記」の世界ですね。楚の闘将・項羽(黄斉峰)は、突風で旗が折れるなど不吉な予感にとらわれつつも、宿敵・漢の劉邦との戦いに出陣。知将・韓信の罠にかかって、垓下の砦に追いつめられてしまう。「垓下歌」の嘆き、周囲から楚の歌が聞こえる四面楚歌といった著名シーンが続く。足手まといになるのを嫌った愛妾・虞姫(王長君)は双剣の舞を披露した後、自害。項羽は包囲を突破して烏江の渡し場に至るものの、さらなる敗走を潔しとせず、自ら命を絶つ。享年31歳。

武将たちは凝った隈取・瞼譜(リエンプー)をして、背に軍隊を表す旗を差しており、特に項羽は化粧まわしのような重厚な衣装で、掌に力を入れて感情を発露。このあたりは完全に歌舞伎の荒事だなあ。滅びの結末なので、絶対善の荒事ヒーローとは違うけど。
馬は手持ちの馬鞭(マービエン)で表すとか、虞姫が電車ごっこみたいなスタイルで戦場を駆けるとか、省略の約束事に工夫がある。毛玉いっぱいの髪飾りや、マスクみたいな仕掛けでしゃべりやすい長い髭が不思議。戦闘シーンで打楽器がジャンジャン鳴り続けたり、馬丁らが床運動のように跳ねたりするのは京劇のイメージ通りだった。虞姫の歌も、高音とコブシが独特。

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あやなすひびき

あやなすひびき~春の光。花と輝く~  2014年4月

知人の中尾幸世さんの朗読会。大久保のスタジオ・ヴィルトゥオージ。背後が普通の掃き出し窓で、日の光が気持ちいい。3500円。休憩を挟んで2時間。

幸世さんは元東京キッドブラザースで、NHKドラマ「川三部作」やラジオドラマに出演。1989年から朗読会を開いているそうです。表情豊かで引き込まれる。
短く吉野弘の詩「生命は」、ふんわりした雰囲気で情景が目に浮かぶ安房直子の童話「花びらづくし」、そしてアンダルシアのノーベル賞詩人、ホワン・ラモン・ヒメネスの散文詩「プラテーロとわたし」。ロバと人々の交流が楽しい。多摩美出身らしいスケッチの紹介があり、後半は宮沢賢治で詩「春と修羅」、そして童話「虔十公園林」。虔十が育てた盆栽みたいな杉林を通して、本当の知恵というものを素朴に語る。
演奏は朗らかなアイルランド音楽の守安功、雅子夫妻。「前座」曲から始まって「A Ground」「グリーンスリーブス」などをリコーダー、フルート、アイリッシュハープ、小さいアコーディオンのコンサーティーナなどで。器用にスプーンを使ったリズムセクションも面白かったです。

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オーヴォ

ダイハツ オーヴォ 東京公演  2014年2月

私にとって4回目のシルク・ドゥ・ソレイユは、虫たちの1日を描くおとぎ話。元五輪選手らの力と技を、シンプルに楽しむステージでした。何しろ装置に頼らないところが凄い。フジテレビ開局55周年記念と銘打っており、寒風にも関わらず、特設会場のお台場ビッグトップに家族連れやカップルらが大勢。開演前からグッズやポップコーンなどを買い込み、プリクラ風の記念撮影で盛り上がる。席は舞台正面の後ろのほうで1万3500円。30分の休憩を挟み2時間半。
以下ネタバレを含みます。

脚本・演出はシルク初の女性で、ブラジル出身のデボラ・コルカー。虫をデフォルメした衣装や振付が、お茶目で楽しい。新趣向の演目では、真っ赤な衣装の中国ガールたち=アンツが、ちょこまかとキウイなどを運ぶフットジャグリングが可愛いかった。仲間の蟻まで、足で飛ばしちゃう荒業です。
そして大詰めのウオールが見もの! 高さ8メートル、幅19メートルと、ツアーとしては最大のセットだそうで、イギリスやスイスなど欧州出身勢で構成するコオロギたちが、トランポリンを使って垂直に壁を駆け上がったり、ステージを前後左右にポンポン飛び回ったり、フォーメーションが緻密だなあ。それから全身ばねの不思議な生き物クリーチュラも、特に何をするわけでもないのだけれど、不気味で面白かった~
定番の演目のなかでは、ウクライナペアの白いバタフライによるロープダンスが優美。布を使った脱皮シーンもあって、幻想的です。フライングアクトはロシア勢中心のスカラベ(コガネムシみたいなもの)が、ブランコはほとんど使わず、地上数メートルをひたすら飛ぶ、飛ぶ。滞空時間が長い! 綱渡りは今回、スパイダー1匹のスラックワイヤーで、たるんだ紐を上下させつつ、でんぐり返しをしたり、逆立ちで一輪車を漕いだりする。シンプルなだけに一層スリリングです。

次々繰り出される超絶技の間に、クラウンが演じる、お楽しみのコメディパートも健在。不器用なハエのフォーリナー(広島出身26歳の谷口博教が活躍)がてんとう虫のレディーバグに恋をする、微笑ましいストーリーだ。年長者のマスター・フリッポが何かとちょっかいを出し、観客を巻き込んで恋のアピールをさせちゃう。言葉にならない謎の「虫語」を発しながら、ちゃんと状況を伝えるところはさすがだ。バンドは舞台後方、左右に控えていて、ブラジル風でした。
カーテンコールで1日限定10人が花束を渡して終了。楽しかった~ いつか本場のラスベガスに行きたいなあ!

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ルノア ダークシルク

ルノア ダークシルク  2012年12月

クリスマスが近づき、街が浮き立つ土曜の夜。シルク(サーカス)パフォーマンスに行ってみた。品川プリンスホテルのナイトクラブ「クラブeX」、1F壁沿いのソファーシートで、シャンパン1杯が付いて1万円。観客は20代から40代、子供連れ、外国人グループも。エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ、米BASE Entertainmentなどの主催で、ニール・ドワード演出・振付。休憩を挟んで2時間半。

シルクといえば「シルク・ドゥ・ソレイユ」を何回か観ている。本作は規模がずっと小さく、直径4メートルのステージと通路だけ。ステージを椅子席が取り囲み、2FにDJ。大がかりな機材やストーリー性を除く一方で、シンプルなサーカスの技を間近に楽しめて、手に汗握る。衣装や振付はかなり大人っぽいけれど、パフォーマーが体操選手みたいなので色気はほどほど。
観ていて力が入ったのは、小さくてぐらぐらするバーテーブルを使った女性のハンドバランス、男性2人の力業ハンドトゥハンド、男女ペアの力業パ・ド・ドゥ、そして格好つけた男性のバランス技ロラ・ボラ。空中技はフープ(輪)、双子の姉妹の空中ブランコ、男性の革製ストラップがあった。面白かったのはマスクをかぶった手足の長いジャグラー、光るパイプを振り回すシェイプ・スピニング。VR-2294-8503は超高速で回転する男女ペアのローラースケートでした。目が回る~
演出が洒落ていて、赤白黒のきらびやかな衣装のダンサーたちが、通路を歩きながら凧を操るとか、オペラグラスでパフォーマーを見上げているとか、次々に手に小さい火を灯すとか、幻想的でイメージが広がる。MCのサラングサンが大活躍。ハワイ出身だけどフランス語をまじえ、豊富な身振りで観客を何人もステージに上げ、手品を見せたりコミカルな仕草をさせたり、キスしちゃったり、はたまた自分で大きな風船の中に入ったり、笑わせてくれる。パフォーマーの出身地はウクライナ、スペイン、オーストラリアなど。あー、楽しかった。

バーン・ザ・フロア

バーン・ザ・フロアAround the World Tour2012 2012年12月

この夏にオープンした渋谷ヒカリエ内、東急シアターオーブに初めて足を運んだ。ロビーが広々としていて、エスカレーターや夜景がきれいな窓際の立ち飲みテーブルなどが充実し、なかなか使いやすい。1階中ほど右寄りの席で、高めの1万1500円。ダンス・パフォーマンスとだけ思っていたら、ゲストに今井翼が出演していて、ウチワこそ飛び出さないものの客席ではジャニーズファンが目立っていた。休憩20分を挟んで約2時間。
実は予備知識無しに行ってしまったのだけれど、内容は割とシンプルなボールルームダンス、つまり社交ダンスのショー。1999年にイギリス初演、2009年にブロードウェイ進出、来日も7回目だそうです。芸術監督・振付はジェイソン・ギルキソン。
ストーリーはなく、突飛な振付もなし。各国の競技ダンスのチャンピオンらがスタンダードなポップスに乗って、スイング、ジャイブ、チャチャからラテンまで各種の技、ステップを次々に披露する。出たり入ったりの繋がりがうまい。アスリートの雰囲気を残しているのか、どことなく素朴で親しみやすい雰囲気だ。
歌手が男女ひとりずつ登場し、ドラム、パーカッション、ピアノは生演奏。ラストはオールスタンディングで、何度もアンコールに応えてくれてなかなか盛り上がった。
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クーザ

ダイハツ「クーザ」東京公演 2011年5月

3回目のシルク・ドュ・ソレイユ。原宿から10分ほどの特設テントで。観客の年齢層は幅広く、道を歩いているときから浮き浮きした気分が漂います。ビールとフライドポテトを買い込んで席に着く。左寄り中ほどのSS席で1万3000円。

今回のテーマはひと言で言うと、原点回帰。セットは後方にバンドが陣取る3階建てのバタクランだけと、いたってシンプルで、演目はいずれもサーカスらしいもの。それだけに、生身の人間の鍛え抜かれた技を感じさせました。

お話は凧を持った子供、イノセントに謎の宝箱(クーザ)が届くところから始まる。箱から玉葱頭のトリックスターが飛び出し、次々に幻想が広がっていく仕掛け。前半は明るく、30分の休憩を挟んで後半はややダークに。

なんといっても後半の「ホイール・オブ・デス」が圧巻でした。重さ700キロの巨大な風車。軸の両端にある輪に、南米コロンビア出身の屈強な男性二人が命綱無しで飛び移り、体重移動で軸を回転させる。目の前でどんどんスピードが速くなる車輪を見ているだけでも、振り落とされそうで十分怖いのに、輪の外側に乗って跳ね、しまいには縄跳びまで。胸が締め付けられるようなスリルです。
前半の「コントーション」は登場のシーンから衝撃的。なにやらキラキラした固まり、実はモンゴル出身の少女3人が絡み合っているのです。超軟体で繰り広げるエビぞりその他のポーズ、素早い動きはまるで蜘蛛のよう。とても人とは思えません。また、終盤の「バランシング・オン・チェアー」は白い衣装の中国人パフォーマーが、8脚の椅子を黙々と積み上げ、倒立などをしてみせるだけなんだけど、ハラハラドキドキ。

ほかにイヌイットのブランケット・トスを取り入れた「シャリパリ」や、お馴染み空中ブランコで妖艶に飛翔する「ソロ・トラピス」、地上7メートルを超す綱渡り「ダブル・ハイ・ワイヤー」、1本足スティルト(竹馬)をつけシーソーで舞い上がる「ティーターボード」など。クラウンらの客いじり(アニメーション)もたっぷりで、おどけたキングがマジックで女性を消したり、詐欺師ピックポケットがスピーディーな掏摸技を披露したり、客席の一つが突然せり上がったり。どうも観客役もキャストのようだけど、なかなか愉快。

ドーナツのようなお菓子をかじったり、Tシャツ(メンズ3200円、レディース2800円)やボールペンセット1200円、ストラップなどを買い込んだりして大はしゃぎしました。あ~、楽しかった!Photo Photo_2 Photo Photo

「コルテオ」

ダイハツ「コルテオ」東京公演 09年2月

シルク・ドゥ・ソレイユ創設25周年特別企画。ダニエル・フィンジ・パスカ演出。原宿新ビッグトップ。B5列。13000円。

国立代々木競技場の中の特設ステージ。30分前に着いて、シャンデリアがさがるロビーでお気に入りのボールペンやTシャツ、飲み物を買い、うきうき。年齢層は幅広い。
360度円形劇場は客席3000というが小さめに感じられ、ステージがとても近い。32メートルのステージを挟むように席が並んでいる。高さ12メートルの、水彩画のカーテンが素敵。
コルテオとは行列の意味だそうです。最期を迎えたクラウンが、夢の中でこれまでの人生、恋愛や友情を思い出し、仲間たちに見送られて旅立つというストーリー。
驚異的なシャンデリア、シル・ホイール、タイトロープやブランコのない空中ブランコのパラダイス、ラダーなどの人間離れした技は期待通り。リズミカルなバウンシング・ベッド、シーソーを使ったティーターボード、お楽しみ浮遊感満載のデュオ・ストラップ、手に汗握る箱形鉄棒ツアーニクなど、珍しい演目もテンポ良く続く。パンフレットを参照すると、一部パフォーマンスが省略されていたようだけど、30分の休憩を挟んで2時間半を満喫。
客席の頭上を漂うヘリウムダンスや、小さい男女のクラウンが寸劇を演じるテアトロ・インティモは大道芸の雰囲気が色濃い。基本はイタリア語だけど、日本人キャストの奥沢秀人さんが日本語を交えるので、全体にわかりやすい。その分、昨年初めて観た「ZED」に比べると、幻想的なスケール感は少なめ。とはいえ、やっぱり大興奮で、最後のほうは暑いくらいでした。Photo

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