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文楽「二人禿」「生写朝顔話」

文楽令和8年5月公演 第一部・第二部  2026年5月

文楽5月公演は北千住THEATRE1010で。「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」は2017年、2021年以来3度目。1部、2部の通しでチャリ場「笑い薬」も入り、桐竹勘十郎の萩の祐仙、吉田玉助の立花桂庵の滑稽コンビが躍動して楽しい。前のほう、やや下手と中央でそれぞれ9000円。1部が休憩2回、2部が休憩1回でともに3時間強は、さすがに疲れたけど。

うららかな春の島原遊郭を舞台にした「二人禿」で幕開け。「朝顔話」は広島の大内家のお家騒動を背景に、悲恋の宮城阿曽次郎(吉田和生)と深雪(吉田勘彌)が「君の名は」に通じるすれ違いを繰り返す。ジェットコースターのように翻弄されるからこそ、深雪の一途さが際だつドラマだ。
片岡仁左衛門ゆかりという真葛が原茶店の段で、かき回し役となる怪しい医者の祐仙、桂庵が登場してわかりやすい。偽の惚れ薬を巡るどたばたで笑わせる。桂庵のかしらが「鼻うごき」なのも面白い。続く岡崎隠れ家の段は、家屋セットの上手が往来。通常と反対の「逆勝手」で、山科閑居のパロディとか。こういうリテラシーが古典を楽しくするんだなあ。
明石浦船別れの段で三度目のすれ違い。深雪がかつて宇治川で受け取った金の扇を、阿曽次郎へ投げ返すスペクタクルを、豊竹呂勢太夫、鶴澤清治が盛り上げる。床の裃に波模様をあしらっているのがお洒落だ。弓之助屋敷の段は豊竹靖太夫、鶴澤清志郎が、死を覚悟した深雪のクドキと出奔をしっかりと。

後半、薬売りの段の軽妙な豊竹希太夫、鶴澤清馗が聴きやすく、浜松小屋の段で盲目となった深雪=朝顔の悲哀と、乳母浅香(吉田簑二郎)の自己犠牲を、竹本織太夫・鶴澤燕三→竹本小住太夫・鶴澤清丈が丁寧に。
期待の島田宿笑い薬の段は竹本千歳太夫、豊澤富助が力演。勘十郎が器用に茶をたて、笑い転げて苦しむさまをたっぷりと。宿屋の段のすれ違いをへて、大井川の段でダイナミックに幕となりました。
終演後は文楽仲間と恒例、玉助夫妻を囲む食事会。有り難うございました~
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