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新宿発8時15分

シス・カンパニー公演「新宿発8時15分」  2026年4月

三谷幸喜作・演出、荻野清子音楽と鉄板コンビの傑作ミュージカル。朝のカマタマ線が事故で止まり、再開するまでの1時間40分をリアルタイム、ノンストップで描く。対策に奔走するプロフェッショナルたち、車内や駅で足止めをくう乗客、沿線の人々、それぞれの事情。誰しも覚えがあるアタフタで存分に笑わせ、ハッピーエンドと思いきや、ラストでぐっとくる。誰しも誰かを助けている、だから今を大切に。憎いなあ。

天海祐希はじめ豪華キャスト15人が、なんと100役以上をスピーディーに、無理なく演じ分け、しかも各々きっちり見せ場がある。当て書き群像劇の名手と、それに応える芸達者たちに拍手。奇跡的にチケットの抽選にあたって知人たちとご一緒できたのはよかったものの、席は2階下手端。前席の女性が乗りだし気味で視界をふさがれたのは残念… 日本青年館ホールで1万2000円。


袖に控えてどんどん衣装を替えていく役者のなかでも、天海は惜しげもなく9役の八面六臂、なんとトラック運転手まで! これぞスター。そんな天海の輸送指令センター長と、いいコンビの警察交通課主任はシルビア・グラブ。ラストの「こんな話をしてあげる」がさすがの説得力だ。オーディションに向かう役者の尾上松也も、「ゴドーを待ちながら」を歌い上げて頼もしいエンタテイナーぶり。亀!にも変身。

三谷組常連たちも存分に個性を発揮。生放送に急ぐニュースキャスター香取慎吾の身勝手さ、終始飄々とした浅野和之、ヒトクセある地質学者の新納慎也、横文字連発の気取ったビジネスマン今井朋彦、右往左往する車掌ウエンツ瑛士…と、期待通りだ。

「京王線の区間準急は快速より速いのか?」といった笑いはたっぷり。亀を助ける乗客の連携プレーも傑作で、見どころ満載でした。よく思いつくなあ。

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