正蔵「紋三郎稲荷」「藁人形」
第6回林家正蔵 仕込みと蔵出し 2026年3月
お世話になったおかみさん、海老名香葉子さんが亡くなって3カ月。ちょっと久々に正蔵さんの独演会へ。演目は2題とも2020年「ダークサイド」で聴いたもの。ますます肩の力が抜けていて、でも、ここぞというくだりは迫力があっていい。マクラの、寄席の楽屋で病気から復活した権太楼さんに「楽しい?」ときかれたというエピソードが、物真似(!)とともになんだか胸に残りました。常連が多そうな日本橋社会教育会館ホール、全席自由で3300円。仲入を挟んで2時間弱。
開演時間になったら下手から、ひょこっと普段着姿の師匠が登場。半端な時間設定をわびたり、遅れてきたお客さんに「もっと前の席が空いてますよ、遠慮しないで」と声をかけたり。相変わらず気取らず温かい。開口一番はぽん平で「寿限無」。ガンバレ。
そして師匠が出てきて、会場入り前にマクドナルドに寄ったら注文パネルに閉口した、フィレオフィッシュは美味、今日のお客さんもいましたね、落語協会の理事会の焼売弁当は持ち帰りしやすい、帰宅後に「最近うちもいろいろあって、疲れているから」と奥さんを先に寝かせ、老犬の顔を眺めながらひとりで食べる…と、なんとも庶民的なマクラから1席目は「紋三郎稲荷」。侍を化け狐と勘違いする駕籠かきの慌てぶり、悪乗りして松戸の本陣でお賽銭を集められちゃう侍の面くらいぶりを、滑稽にトントンと。
仲入後は「藁人形」。前に聴いたときは乞食坊主・西念の「見たな」にぞっとしたけれど、今回は怖さに主眼をおいていなかったのか、ひどい嘘をつく千住の女郎お熊のささくれた心情、閉じこもっちゃった西念を救う甥・甚吉の飾らない優しさが印象的でした。
ホールは大きな時計に風情がある建物で、小学校などが入居していました。
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