いのこりぐみ
いのこりぐみ 2026年2月
2026年も年初からフル回転、作・演出三谷幸喜のお得意ワンシチュエーションコメディだ(ご本人はコメディを否定しているけど)。誰もがしょうもなく、だからこそ愛すべき存在で、ほろ苦くも温かさが胸に残る。菊地凛子が45歳にして初舞台と思えない達者ぶり。初めての吉本経営IMM Theater、中段で1万2000円。休憩無しの2時間弱。
くすのき小学校5年B組の教室、冬の放課後。野々村教頭(相島一之)とかつて教え子だった教師の嶋(小栗旬)が、児童の母・熊澤コマ子(菊地凛子)を招いて話し合う。コマ子はいわゆるモンスターペアレントで、言うことなすことめちゃくちゃ、担任を替えろの一点張り。そこへ当の担任、白石(平岩紙)が現われて…
コマ子が暴走に次ぐ暴走で存分に笑わせ、終盤で嶋がそのコマ子のイメージを、「12人の怒れる男」さながらひっくり返してみせるのが痛快だ。そんな嶋はそもそも、部活より好きなジム通いを優先するちゃっかり野郎だし、若いころ金八風だった野々村はいまやすっかり事なかれ主義、生真面目な白石も実は…で、親も先生も欠点だらけ。普通の人同士、丁々発止のディスカッションドラマ、つまりは話してみればわかるってことか。
大河ドラマ常連の小栗がきびきび軽快に舞台を牽引し、手練れ相島のトホホ感と、外見に似合わず飛び道具の平岩が期待通り安定。菊地は当て書きの名手・三谷の筆で、クールビューティーでもエキセントリックでもなく、よく動いて可愛らしさを発揮。「鎌倉殿の13人」で小栗と共演してたんだなあ。美術は堀尾幸男、時間の経過を映す照明は服部基。面白かったです。
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