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歌舞伎「女暫」「鬼次拍子舞」「女殺油地獄」

寿新春大歌舞伎  2026年1月

2026年芝居始めは歌舞伎座、夜の部へ。浮き立つお正月気分はやっぱり歌舞伎座ならでは。中村七之助、松本幸四郎が健闘して嬉しい。ロビーで浄瑠璃の師匠にばったり、新年のご挨拶をしたり。前のほう中央のいい席で2万円。休憩2回で4時間強。

祝祭感あふれる北野天満宮社頭の「女暫」から。2015年に坂東玉三郎で観て以来だ。義仲愛妾の巴御前は颯爽と七之助。特徴ある声がよく目立って、役に合っている。ド派手な扮装、素の役者になっちゃう女鯰(坂東新悟)や、ラスト幕外で六方を教える舞台番(ご馳走で幸四郎)とのコミカルなやりとりが大らかで、文句なく痛快だ。15年ではそれぞれ七之助、中村吉右衛門だったんだなあ。
敵方は国崩し・頼朝弟の範頼にどっしり中村芝翫、雲斎に坂東巳之助、赤っ面腹出し成田五郎に大きく坂東亀蔵。いいもん方は義高にノーブル中村錦之助、紅梅姫に市川笑也、木曽公綱に中村松江。茶後見をなんと市川寿猿95歳!が危なげなく。大薩摩連中の三味線でまたまた鳥羽屋里松。

短い休憩の後は古風な長唄舞踊「鬼次拍子舞」。拍子舞とはリズムに合わせて、唄うように台詞をいいながら踊るものとか。尾上松緑、ベテラン中村萬壽が安定。
舞台は洛北の森で一面の紅葉が綺麗。山樵(やまがつ)に姿をやつした加茂明神帰りの平家の武将・長田太郎兼光と、敦盛遺愛の青葉の笛(須磨寺に実在!)を探る白拍子が、虫尽くしや手踊りを繰り広げ、ラストはぶっ返りで華やかでした。

休憩でお弁当をつつき、3演目目は雰囲気が一変して、近松の竹本名作「女殺油地獄」。今回は幸四郎が与兵衛のAプロで。2011年の染五郎時代に片岡仁左右衛門直伝で観て以来。2009年にシネマ歌舞伎で観た、前歌舞伎座さよなら公演の凄みある仁左衛門とはタイプが違うけれど、甘えん坊、見栄っ張りで短慮のダメぶり、怪しい目つき、かつ、いっぱいいっぱいな感じに磨きがかかった。
つくづく気の毒なお吉のAプロは、こちらも片岡孝太郎直伝の新悟。年をとるにつれ長身・細さが気にならなくなり、世話焼きの隣のおばちゃんの造形がいい。客席が慣れていないのか凄惨なシーンに息をのんでしまったけど、見せ場の海老反りでも健闘。母おさわにはベテラン中村梅花(七代目芝翫の部屋子)、妹おかちに澤村宗之助(九代目澤村宗十郎の部屋子)、実直な隣の七左衛門に錦之助。複雑な父・徳兵衛の中村歌六はもちろん巧いけど、最近ちょっと声が辛い。通りかかる小栗錦左衛門で松本白鵬(この演目は初!)がなんと駕籠のままスライド。残念ながら8日以降は休演となりました… 2011年のお吉は猿之助(当時亀治郎)だったんだなあ。
今の中核を感じる、なかなか充実の初春でした~
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