文楽「万才」「国性爺合戦」
第五七回文楽鑑賞教室 2025年12月
演劇でお馴染みの東京芸術劇場プレイハウスで、文楽鑑賞教室のBプロ午前の部へ。2023年2月以来の「国性爺合戦」は前回と同じ吉田玉助が苦悩する名将・甘輝を遣って、スケールが大きい。中央あたりのいい席で6000円。国立劇場閉場以降のジプシー公演では、落ち着いた雰囲気や見やすさ、声の響きなどかなり快適だった。短い休憩を挟んで3時間弱。
幕開けは2回観ている景事「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)」から「万才(まんざい)」。初春の京都、門付のきりっとした太夫とコミカルな才蔵がうららかに舞う。竹本南都太夫、小住太夫、竹澤團吾、鶴澤寛太郎ら5丁4枚に望月太明蔵社中の囃子が賑やか。人形は桐竹紋吉、吉田文哉。続く解説は豊竹亘太夫が、鶴澤清公と語り分けなどを説明。
眼目の「国性爺合戦」は言わずと知れた近松の冒険活劇だ。やんちゃヒーロー和藤内(吉田玉佳)は鄭成功がモデルで、日本人の母をもち清に抵抗し台湾に渡り…となかなか微妙な演目だけれど、そこはエンタメということで。楼門の段の豊竹芳穂太夫・鶴澤清志郎に親子の情があり、以前よりかなり聴きやすくなった印象。甘輝館の段は安定の豊竹呂勢太夫・鶴澤藤蔵コンビだ。
人形はまさかの自己犠牲合戦しちゃう錦祥女(吉田簑紫郎が美しく)、老一官妻(吉田簑二郎)も健闘。どうしても陰鬱になるけれど、ラストで手を結ぶことにした和藤内と甘輝が、衣装を改めて登場するとスカっとする。10㌔ほどもあるという人形での演技、つくづく重労働だなあ。
それにしても国立劇場。2029年度末としていた再開場が「33年度を目指す」と見直されちゃって、とにかく一日でも早く、と願わずにいられない。

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