講談「越の海勇蔵」「河村瑞賢」「四谷怪談~伊藤喜兵衛の死」
講談 神田春陽独演会 2025年7月
大好きな神田春陽さんの会で、四谷のかくれが倶楽部へ。怪談、怖かった~ 駅から徒歩10分弱、奥まった民家の座敷で、高座のすぐ脇に陣取って3500円。短い休憩を挟んで2時間弱。
開口一番の神田ようかんは、名古屋場所大詰めにぴったりの「越の海勇蔵」。初めて聴く演目だ。江戸中期「べらぼう」の頃まで活躍した越後出身の力士で、背丈5尺(150㌢)なのに体重は36貫(133kg)。妙な体型のせいでろくに稽古をつけてもらえず、せめて諦める前にと芝神明宮(芝大神宮)の稽古に紛れ込む。大横綱の谷風や雷電に挑むと、相手は丁髷の先がくすぐったくて… 確実に上達していて、師匠譲りの端切れ良さも。
続いて春陽の1席目は2021年に聴いた「河村瑞賢」。こちらはお盆シーズンもの。元禄期、大阪・安治川の治水工事などで知られる豪商の若かりし頃。江戸で奉公していて、不要になったお盆の飾り物を回収して稼いじゃう。伊勢出身の柔らかい口調と、したたか過ぎる知恵をコミカルに。ちょうど神宮球場のナイター中で、名物・花火の音をうまくバックグラウンドにしてました~
休憩後の2席目は定番「四谷怪談」から「伊藤喜兵衛の死」。ご存じお岩さんの復讐譚で、2018年に蝋燭講談で聴いて以来3回目。どんどん怖くなってないか。なんだかんだ様式美の歌舞伎と違って、講談では実録風のおぞましさに迫力があります。ぞくぞく。
終演後、座敷机を出してミニ打ち上げに。春陽さんはもちろん、お客さんで超有名俳優、女流写真家、落語会の主催者ら、どうやら三丁目のバーの常連が集まっていて、話題も料理もご馳走尽くし。ようかんさん、シェイクスピア研究で上智大院までいっていて、しかも女優・馬渕晴子の息子さんだったとは! 格好良いはずだぁ。後輩も入門したそうで、がんばってほしい~ めちゃくちゃ楽しかったです!
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