ムーティ指揮東京春祭
東京・春・音楽祭2025 リッカルド・ムーティ指揮 東京春祭オーケストラ 2025年4月
初めての春祭、大看板となっている中堅・若手精鋭メンバーによるスペシャルオケの2日目。御年83才、ムーティ・マジックに酔いしれた。ラッキーにも上手前方の席から見ていると、指揮台にも後ろの手すりにももたれず、二時間弱。今更ながらオケって指揮で変わるんだなあ。いっぱいの東京文化会館で1万9000円。
ムーティさまは21年目を迎える春祭のうち、なんと11年も来日しているとか。今回はオール・イタリア・プログラム! 前半はお馴染みのオペラで、「ナブッコ」からトロンボーンが響き、感涙必至の定番「カヴェリア」でぐっと引き込む。ドラマティックな「運命の力」の金管、木管まで、歌心満載。たえずリズムを刻むのではなく、要所だけ膝も使って、ためたり引き出したり。これが情感というものか。
休憩後は初めて聴く演目で、「コンテンプラツィオーネ(瞑想)」(1878)はムーティーが是非、と推した選曲だとか。大指揮者トスカニーニが夭折したカタラーニを敬愛し、代表作から長女(ホロヴィッツ夫人の姉)をワリーと名付けたほどで、ムーティはそんなトスカーニの孫弟子にあたる。弦と、そこからの管とのやりとりが繊細だ。
「ローマの松」はローマ三部作のひとつで、4つの松の名所から都市の空気、歴史を感じさせる。滑り出しは市民公園となっているボルゲーゼ荘の木立で、遊ぶ子供が賑やか。カタコンブ(地下墓所)はフルート、トランペット、ホルンがローマ帝国に弾圧されたキリスト教徒の聖歌を聴かせる。続いてローマを一望するジャニコロの丘となり、クラリネットが静謐に、満月の光に浮かぶ帝国の栄光と衰退を表現。幕切れはローマ帝国の幹線アッピア街道となり、不気味な低音から長いクレッシェンドで、夜明けの霧の向こうから進軍するローマ軍が現われる。ラストは18人ものバンダのトランペットがアイーダばりに、勇壮なファンファーレを響かせて圧巻。
コンマスの郷古廉(N響第1コンマス)はじめ、オケがこのうえなく楽しそうなのもむべなるかな。実行委員長・鈴木幸一氏や財界人、ムーティ追っかけでウイーンまで行った知人に遭遇しました~
以下セットリストです。
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」間奏曲
ジョルダーノ:歌劇「フェドーラ」間奏曲
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
カタラーニ:「コンテンプラツィオーネ」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
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