おどる夫婦
Bunkamura Production 2025 おどる夫婦 2025年4月
蓬莱竜太作・演出で、長澤まさみ、森山未來が舞台初共演。期待通り1組の夫婦の10年間を通して、人と人の関わりをもどかしく切なく描いた佳作。Theater Milano-Zaの、全体を俯瞰できる2F席で1万2500円。休憩を挟んで3時間。
キヌ(長澤)とヒロヒコ(森山)は演劇サークルのスタッフで知り合い、とくだん恋愛感情もないまま結婚する。キヌはサークルの延長線の衣装製作会社で働いてデザインを盗まれ、作家志望のヒロヒコは意に染まないライター稼業に流されていく。故郷を襲った震災の喪失感や、抑圧的な母(伊藤蘭)との確執もあり、現実の虚しさに直面する不器用な2人。
夫婦でいるのも惰性みたい。大丈夫なのかと思わせるのだけれど、ふと、互いに影響を与えていることに気づく。ごく身近な他者という、このうえなく面倒で、かけがけのない存在。
中央に回り舞台があり、映像を投影したり俳優が家具を移動させたりしてシーンを作っていく(美術は岩本三玲)。その末にラスト、がらんとしたステージで主役2人が織りなすダンスが、なんとも美しい。
淡々とエピソードをつなげつつ、笑いもたっぷり。特に、衣装製作会社の経営者みつこと、ヒロヒコの編集者の叔父とをこなしちゃう皆川猿時が、さすがの飛び道具ぶり。短期記憶に障害を持つキヌの弟役で、松島聡が透明感を発揮する。ほか、みつこの娘に小野花梨、キヌの大学からの友人に内田慈、ヒロヒコの漁師の父に内田紳一郎ら。
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