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見上げんな!

万能グローブガラパゴスダイナモス×ゴジゲン×小山田壮平 見上げんな!  2025年4月

福岡で人気の劇団、万能グローブガラパゴスダイナモスを率いる川口大樹の戯曲を、福岡出身のゴジゲン主宰・松居大悟が演出。おじさんバンドの果てない夢を描いて、なんだか甘酸っぱい群像コメディ。音楽は福岡在住の小山田壮平。福岡市民ホールのリニューアル杮落としだったんですねえ。新国立劇場小劇場の前の方で7000円。休憩無しの2時間。

アイドルを辞めて映像作家を目指す三月(田島芽瑠)が、バンドのMVの依頼を受け、数年ぶりで福岡へ帰郷する。待っていたのはボーカルの失踪で解散状態の曲者おじさんバンドの面々(退職代行サービスの椎木樹人、明るいラーメン店主の東迎昂史郎、暗め区役所職員の酒井善史)と元マネジャー(多田香織)で、立て直しに奔走するはめに。そのうち三月自身、妹の四月(大学生の富永真由)、物忘れが増えた父・未知人(タクシー運転手の向野章太郎)らがそれぞれの過去と向き合い始めて…

退職代行のやりとりなど、今どきのさえないけどクスっと笑える日常と、高校時代から腐れ縁のおじさんノスタルジーが交錯するまったりストーリー。…と思いきや、大詰めでSFファンタジーに飛翔し、キービジュアルの宇宙服と光るギターの意味が明らかになっていく。才能ある誰かとか華やかな芸能界とか、ずっと見上げていた未練な人たちの、なけなしの希望。

三月の奮闘を呆れつつ支えちゃうマネージャーの善雄善雄、とんでもない退職代行の利用者、古賀駿作がいい味。セットがなかなか凝っていて、博多の街を背景に半透明の柱、櫓、回転する階段で構成。俳優が移動し、緻密に公園やラーメン店など場面を転換する。装置は中島信和。
プログラムには松居が師と仰ぐヨーロッパ企画の上田誠との対談も。川口がヨーロッパ企画の福岡公演を観て手伝うようになり、松居と縁ができたとか。上田の「主流から外れたオルタナティブだけど、前衛ではなくポップ」という言葉が印象的だ。

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