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SIX

SIX 来日版 2025年1月

2017年にケンブリッジ大の学生が初演したというミュージカルの、来日キャスト版に足を運んだ。全編、地下アイドルのライブ風で、シンプルなセットにキャッチーな楽曲とキラキラ衣装。しかも初体験のシングアロング回で、会場全体わーわー、ヒューヒュー盛り上がって、休憩無しの80分があっという間だった。オーディエンスは女性が圧倒的、リピーターが多いのか皆さん英語詞をよく覚えていた! トビー・マーロウ&ルーシー・モス脚本。EX THATER ROPPONGIの中段いい席で1万4000円。主催は梅田芸術劇場・フジテレビジョン。

シェイクスピア劇やオペラ、映画でお馴染み、暴君ヘンリー8世の6人の妻たちが、何故か現代のガールズグループを結成。センターを争って悲惨な身の上をアピールするうち、王=パートナーに定義されない、自身の価値に目覚めていく。正調ディズニー節とも言うべきポジティブさ、歴史知識を土台に、そのステレオタイプな理解をちゃかすメッセージ性がある。2022年トニー賞でオリジナル楽曲賞などを受賞。

キャスト6人とバンドだけだけど、テンポよくノンストップで歌って踊り、笑いもたっぷり。歴史的な離婚に怒る「No Way」のキャサリン・オブ・アラゴン役・太っちょミリー・ウィロウズや、マッチングアプリの肖像と違うと拒絶されちゃった「Get Down」のアナ・オブ・クレーヴス役・アフリカ系ハンナ・ヴィクトリア、恋愛遍歴に傷ついてきた「All You Wanna Do」のキャサリン・ハワード役・長身のリジー・エメリーがそれぞれ個性的。
王が贈ったという「グリーン・スリーブス」を織り込んだ「Don't Lose Ur Head」のアン・ブーリン役・エリン・サマーヘイズがキュートで、地味でも変らない愛を歌いあげる「Heart of Stone」のジェーン・シーモア役・リバティ・ストッター、ラストを知的に締める「I Don't Need Your Love」のキャサリン・パー役・イジー・フォームバイ=ジャクソンが、達者なバラードを披露。

「サビを3回も歌ったし」と自慢したり、最後は「あと5分」「あと3分」と持ち時間を気にしながら、それぞれのソロのマッシュアップ「Megasix」を畳みかけたり。ビヨンセらポップアイコンの知識があったら、もっとパロディを楽しめたかな。多様性を意識しているとかで、バンドは女官の設定でした~

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