バサラオ
2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎「バサラオ」 2024年9月
2018年360°シアター以来の新感線。中島かずき作、いのうえひでのり演出で、大音量ヘビメタとギンギラ衣装のチャンバラエンタメを貫いていて、老若男女のファンがぎっしりだ。今回は生田斗真の一貫した狼藉ぶり、さすがの舞台映えの良さを中心にすえた感じで、ギャグは抑えめ。それを受ける中村倫也がリズム感、チャーミングさで突出。歌もうまい。
たまたまライブビューイング&台湾での同日生中継の日で、座席をつぶして大量のカメラが入った明治座、下手寄りで1万5800円。ゲキ×シネも20周年なんですねえ。30分休憩を挟んで3時間半。
物語のベースは2012年「シレンとラギ」でも観た、後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒した元弘の乱。傍若無人なゴノミカド(後醍醐天皇、古田新太)と幕府執権キタタカ(北条高時、粟根まこと)が架空のヒノモトを二分した戦いを繰り広げ、その混乱に乗じて、とびきりの美貌と残忍さを備えたヒュウガ(生田)、軍師カイリ(中村)のコンビがのし上がっていく。
裏切りにつぐ裏切り、殺戮につぐ殺戮。崖っぷちヒリヒリ感を面白がるように、京都守護サキド(佐々木道誉、りょう)、刺客アキノ(元乃木坂の西野七瀬)、野太い武将クスマ(楠木正成、村木よし子)の女優陣が暴れ回る。
これでもかという殺陣、歌と踊りに躍動感があり、舞台いっぱいの桜も美しい。生田が終盤、なかなかの飛び六方を披露したと思ったら、指導はなんと尾上松也! 劇団勢では古田が、なぜか河内弁で存在感を示すものの、お馴染み橋本じゅん、高田聖子がいないせいか、あくの強さ、緩急はイマイチ。ミカドに斬り捨てられる皇子タダノミヤのインディ高橋が目立ってましたね。
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