ブダペスト交響楽団「セビリアの理髪師」「リスト ピアノ協奏曲第1番」「チャイコフスキー 交響曲第5番」
ハンガリー・ブダペスト交響楽団 2024年6月
炎のマエストロ小林研一郎指揮、ピアノは2001年生まれ22歳の亀井聖矢(まさや)という期待のコンサート。年配のかたが多く温かい雰囲気の武蔵野市民文化会館大ホール、前の方の良い席で7000円。休憩を挟み2時間。
のっけからコバケンが、独特のとつとつとした口調で、50年にわたるオケとの縁を語る。30代になっていた1974年の第1回ブダペスト国際指揮者コンクールで、120曲の課題曲からベートーベンとロッシーニを引き当て、第一位となって飛躍したそうで、まずその「セヴィリアの理髪師序曲」を朗らかに。お馴染みヴァイオリンとヴィオラのユニゾンの第1主題が美しい。
続いてピアノを前方に移して、すらっとした亀井君が登場。技巧が華やかなリスト「ピアノ協奏曲第1番変ホ長調」を存分に。1楽章、弦楽器に続く導入からパワフルだ。楽器の応酬が美しい2楽章に続き、3楽章はトライアングルとの掛け合いを可愛く。そこから4楽章にかけて、アクションもどんどん大きくなり、ペダルを踏む足にも力がこもって盛り上がる。
拍手鳴り止まず、何やら話していたコバケンがバイオリンのかたと一緒に座っちゃったと思ったら、なんとピアノソロのアンコールで「ラ・カンパネラ」。力任せの感じもあったけど、たいしたスターぶりです。2022年に若手登竜門のロン・ティボー国際音楽コンクール第1位、飛び級の桐朋学園大をへて独カールスルーエ音楽大に在籍とのこと。精力的にツアーもこなす。伸び伸び活躍してほしいなあ。
休憩のあとは、こちらも民族風味がキャッチーなチャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調」。1楽章でクラリネットが重々しい「運命の主題」を奏で、ポーランド民謡の旋律も。低弦に始まる2楽章はホルン、オーボエが美しい。ワルツの3楽章をへて、4楽章は「運命の主題」を軸にこれでもかと壮大に。コバケンは振り返り、客席後方を眺めちゃって、雄大な大地がみえるよう。ロシアは難しい情勢だけど、文化に罪は無いものね。
大拍手のあと、コバケン流で、とコメントして、ブラームス「ハンガリー舞曲」! ゆったりとした導入から徐々に熱を帯び、スカッと幕となりました~
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