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一中節「姫が瀧四季の山めぐり」「道行三度笠」

第九回都了中の会  2024年1月

 一中節都派家元、都了中の会に初参加。伸びやかな浄瑠璃、都一中の優雅な中棹三味線、そして楽しい解説を堪能する。加賀料理の赤坂浅田で、座敷に一部座椅子、椅子を置いての80人ほど参加の演奏会。終演後の会食を含め2万円。
能の山姥ものをベースにした「姫が瀧四季の山めぐり」は、没後300年という初世都一中の詞章、先代一中(11世)の作曲。都で山姥を題材に舞っていた遊女が、善光寺詣の山中で日が暮れ、女に宿を貸してもらうと、それが本物の山姥で… 山の四季と、めぐりめぐっていく生死の表現が美しい。
休憩の後は「道行三度笠」。ご存じ近松門左衛門「冥途の飛脚」から、死罪を覚悟した梅川・忠兵衛が新口村へと落ちていくくだりで、初世の弟子の都半中、のちの宮古路豊後掾(みやこじ・ぶんごのじょう)の作曲。郭の相合炬燵といったたとえの色っぽさと、藤井寺、富田林から竹内峠へ、追い詰められた嘆きが交錯する。三度笠って渡世人のイメージだけど、江戸・京都・大阪を月3で回る三度飛脚がかぶっていたんですねえ。

一中節は江戸浄瑠璃の源流で、京の僧侶だった初世が還俗して、座敷芸として始めたもの。歌舞伎舞台に進出して人気を博し、稽古事となって江戸で大流行した。落語にも登場します。弟子の宮古路豊後掾が独立して豊後節を興し、宮古路文字太夫が常磐津節を、さらに一派の宮古路加賀太夫が新内節を、清元延寿太夫が清元節を興したというから、まさに音曲のルーツ。豊後掾はあまりに扇情的な芸風で吉宗に弾圧されたとか、髻を高く結う「文金風」を流行らせたファッションリーダーだったとか、逸話も豊富だ。
お父上の一中さんの博覧強記には驚くけど、了中さんもなかなかどうして。「私はアメリカ合衆国大統領の資質を完璧に備えている。第1に抜群の記憶力、第2に、えーと何だっけ」とレーガンお得意のつかみネタから、一中節と演目を解説。言霊がもたらす幸せをうたった柿本人麻呂「しきしまの大和の国は 言霊の 幸(さき)わう国ぞ ま幸(さき)くありこそ」を引用したり、大倉喜八郎から贈られた見台を紹介したり。飛鳥から江戸、明治まで、なにせ邦楽の世界は深いです!

演奏会で歌舞伎・文楽友達とおしゃべりし、地下の掘りごたつ式の座敷に移って、希望者15人ほどの食事会も。充実してました~

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