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Qesheth NoteS クリスマスゴスペルライブ

Qesheth NoteS クリスマスゴスペルライブ 2023年12月

Gospel講師陣が参加するユニット、ケシェスノーツのクリスマスライブ。代官山「晴れたら空に豆まいて」での開催を配信で。メンバーはアサ(Vo)/今角夏織(Vo)/ナガオカ智(Vo)/真夏(Vo.Gt)/マユカ(Vo)/永田雄大(Vo)/長谷川繁(Vo)&中原裕章(Key)。格好良かった~ 休憩を挟んで2時間。3000円+投げ銭500円。以下セットリストです。

1.Fire(オリジナル:CeCeWinans)
2.I Worship The King (原曲:Tronto Mass Choir)
3.すてきなホリディ(Original:竹内まりや/Arranged By 永田雄大)
4.メリークリスマストゥユー(Music And Words By 長谷川繁)
5.This Too Shall Pass(原曲:ヨランダ・アダムス/編曲:夏織)
6.Think(原曲:アレサ・フランクリン)
7.トータルプレイズ(夏織編曲)
8.The Christmas Song(原曲:Nat “King” Cole)(編曲:永田雄大&長谷川繁)
9. クリスマスメドレー(編曲:永田雄大)
10.ありがとうの言葉をあなたに(Music And Words By 長谷川繁)
11.キングダム(オリジナル:Marverick City Music & Kirk Franklin)
12.The Presence Of The Lord Is Here(原曲:バイロン・ケイジ)
アンコール
Enc1. もっと豊かに(原曲:Ricky Dillard & The New Generation Chorale)
Enc2.Mi Dan Kas Vin(Music And Words By 長谷川繁)

 

 

デッドマン・ウォーキング

METライブビューイング2023-24 デッドマン・ウォーキング 2023年12月

METライブビューイング新シーズンの幕開けは、なんと1995年ティム・ロビンス監督の映画で知られるノンフィクションだ。ジェイク・ヘギーによる2000年のオペラ化作品をMET初演で。2月の「めぐりあう時間たち」がよかったので足を運んだら期待以上、感動の名作でした。
粗野な死刑囚としっかり者の修道女に芽生える深い愛情を、映画音楽のような美しく分厚い響き、時にブルース調の切ないアリアで描く。米国を代表するメゾ、ジョイス・ディドナートが素晴らしく、幕切れのつぶやくような賛美歌「主はわたしたちを集めて」が染みた~ 音楽監督ヤニック・ネゼ=セガン指揮。10月21日の上演で、休憩を挟んで3時間半。椅子が新しくなった東劇で3700円。

舞台は1980年代の南部。シスター・ヘレンは文通するルイジアナ州立刑務所(アンゴラ)の死刑囚ジョセフ(ロサンゼルス出身のバスバリトン、ライアン・マキニー)と面会し、恩赦嘆願から刑執行まで支えていく。
イヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出は、前奏曲中の映像で犯行を見せるもの。明示しないもののジョセフの犯行を前提に、自らの罪への恐怖、認め悔いることで得られる心の平穏に焦点を絞っていて、効果的だ。シスターが思わず車を飛ばしちゃって、背後のスクリーンにパトカーの映像が写り、シームレスに警官が現れるシーンが面白く、笑いを誘う。ローレンス・オリヴィエ賞やトニー賞を得たオランダ出身の才人とか。
ベッドやデスクなど装置はシンプル。全体に抽象的で、「真実があなたを自由にする」というテーマと主演ふたりの愛をくっきりと。深夜、教会で苦悩するヘレン、刑務所で腕立てするジョセフが交互に歌うシーンの映像も巧い。大詰め執行のシーンだけがやけに具体的で、ショッキングだったけど。なにせ関係者に公開されてるんだもの。ここは端的に、死刑制度への疑問を提示したのかな。

ディドナートがてきぱきしたおばちゃんから、弱々しさまで表現して、とにかく圧巻。簡素なグレーのワンピースに、すっぴんみたいだし! 対するマッチョなマキニーも大健闘。映画版のショーン・ペンが色っぽく、そりゃスーザン・サランドン惚れるよね、となっちゃうのと比べ、むしろ無骨でとっつきにくい印象なのが説得的だった。
初演でシスターを演じたというベテランメゾ、スーザン・グラハムがジョセフの母で登場して、存在感を発揮。貧しく愚かだけど、切実だ。ライブビューイングでずっと華やかな案内役だったのが信じられません。仲間のシスター・ローズ役、黒人ソプラノのラトニア・ムーアに愛嬌があり、被害者の父オーウェンのロッド・ギルフリー(バリトン)も、揺れる心理を表現していい声。

今季のライブビューイングは本作に続き、「マルコムX」、メキシコオペラと現代物3連発で、新しいファンを開拓する姿勢がくっきり。ゲルブ総裁、すっかりオネエで大人気ネゼ=セガンも、インタビューで今日的テーマを取り上げる意義を強調していた。ひるがえって歌舞伎はアニメ原作やCGのケレン全盛で、それも悪くないけれど、こんな深く大人っぽい表現にも挑戦してほしいものです。
お楽しみ特典映像で、NY州シンシン刑務所での特別公演のドキュメンタリーが流れたのにはびっくり。米国恐るべし。案内役はリアノン・ギデンズ。知らなかったけどフォーク・カントリー歌手で、今年、イスラム系奴隷の生涯を描いたオペラ「オマール」を共作してピュリッツァー賞を得た才媛なんですねえ。

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文楽「源平布引滝」

第226回文楽公演「源平布引滝」 2023年12月

国立劇場が閉場してしまい、12月の中堅中心の本公演はTHEATRE1010で。北千住駅前の丸井の上で、結構入っており、常連さんに加えて「文楽は初めて」の声も。新しい観客を呼び込めるなら、ジプシーも悪くない。狭いながら盆もあったし。国立劇場と比べ座席の傾斜がある感じで、人形の首の角度などは難しいかもしれないけど。演目はおりしも先日旅した琵琶湖畔が舞台の、木曽義仲誕生秘話だ。人形は玉助が盤石、床は織太夫が引っ張る。中央あたりのいい席で6500円。休憩を挟み2時間半弱。

舞台は竹生島遊覧の段から。平清盛が権勢を振るう時代、源氏の重宝・正八幡の白旗を握りしめて、無謀にも琵琶湖を泳ぎわたる娘小まん(清五郎)と、その腕を切り落として湖に旗を流す平実盛(玉志)の謎の行動。人形だから可能だけど、何度観ても壮絶だなあ。床は小住太夫、團吾。

休憩後に九郎助住家の段。亡き木曽義賢の妻・葵御前(紋臣、木曽義仲の母)を匿う堅田の九郎助(文司)宅へ、敵の実盛と瀬尾十郎(玉助)が詮議にやってくる。葵の子として小まんの腕を持ち出され、瀬尾が「これ産んだか!」。実盛はまさかの「手孕伝説」を持ち出して九郎助・葵を救う(かいな)。
実盛ひとりになると、今は敵だけど、かつて仕えた源氏に寄せる思いを切々と吐露(実盛物語)。倅・太郎吉(玉彦)の呼びかけで小まんが一瞬息を吹き返す奇跡、白旗が掲げられる舞台の変化をへて、実は小まんの父だった瀬尾のあっと驚くモドリ。あげく太郎吉が義仲にとりててもらえるように、自ら首をかききっちゃう。またしても、人形だから出来る凄惨シーンだ。幕切れは、太郎吉が実盛に挑もうと綿繰車にまたがるのが可愛く、一方で、実盛は謡曲を引用したウタイガカリで、白髪を染めて義仲勢に討たれる最期を暗示する。時の流れを感じさせるドラマです。

床は後半の切場を、織太夫・藤蔵、芳穂太夫・錦糸に分けて。丁寧な語りを力強い三味線が牽引して好演。前半の笑いのところ、希太夫さんは正直イマイチで、拍手がおきなかったのは残念。人形は玉助さんがスケール大きく圧倒。玉志が終始うつむき加減で、馬にまたがるのもちょっと手間取ったのが気になったかな。
2011年に観たときは、床が今は亡きキング住太夫の笑いで拍手が起こり、実盛が玉女時代の玉男さん、瀬尾が勘十郎さん! 簑紫郎さんが太郎吉だったんですねえ… これからの飛躍に期待。

終演後は慣れない街ながら、充実の反省会でした~

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