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講談「清水次郎長伝」

春陽党大会  2023年11月

古本まつりの片付け中の神保町で、恒例の「春陽党大会」。神田春陽は一段と啖呵に凄みが増した感じで頼もしい。助演にお馴染みの活辯師、坂本頼光を迎えて充実。神保町らくごカフェで2300円。中入りを挟んで2時間。

まず昨年入門の神田ようかんが、6月にも聴いた「島田虎之助」を爽やかに。剣の達人ら人物を凜と語るようになるのが楽しみ。
続いて春陽さん、日本シリーズのタイガースが気になって仕方ないながらも、浪曲の師匠のことなどを語りつつ、「清水次郎長伝」からお民の度胸。森の石松の短気で人の良い造形がたまりません。お話は金比羅参りで旧知の親分から香典百両を預かった石松が、遠州・都鳥の吉兵衛の一家に立ち寄り、カネを貸してしまう。この吉兵衛がとんでもない奴で…

中入り後は高座にスクリーンをしつらえて頼光さん。今夜は毒は控えめに、戦前のアニメ「空の桃太郎」(桃太郎一行が燃料を補給しつつ、戦闘機で南極へ)、モノクロの「弥次喜多岡崎猫退治」(大山でぶ子嬢と着ぐるみの猫が傑作)を調子よく。トンデモの展開に苦笑しつつ、こんな映画、どこから探してくるのかと感心しちゃう。客席でカンカラ三線の岡大介をお見かけしたな、と思ったら2曲唱って盛り上げてくれました~ 正蔵の内輪に加わり、昨年末から落語協会準会員なんですねえ。
春陽の後半は怒濤の展開。都鳥にだまされ、町はずれの閻魔堂で十人がかりで襲われた石松が、なんとか幼なじみ・小松村の七五郎の家へ転がり込む。都鳥が追ってくると聞いた七五郎は石松をかくまい、女房・お民に逃げるよう言い付けるが、「一緒に斬られたところでお前と心中したと思えば嬉しいものだ」とお民。格好良い! 現れた追っ手に夫婦して「石は来ていない」「疑うんなら家中、探してみな。出てこなければ黙っちゃいない」とすごんで、見事に追い返す。その後、石松はどうしてもひとりで浜松に行くと言って出発し…というところで、タイガース接戦の行方にやきもきしつつ、和やかにお開きになりました。

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