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Music Dialogue「モーツァルト弦楽五重奏曲第5番」「ブラームス弦楽録重奏曲第2番」

Music Dialogue ディスカバリー・シリーズ2022-2023 vol.3  2023年3月

対話を通じて室内楽を楽しみ、若手音楽家を応援する一般社団法人Music Dialogueの演奏会に、足を運んでみた。ヴィオラの大山平一郎芸術監督が指導し、事前にリハーサル初日が拝聴できて、聴衆も支援者ら少人数。解釈を合わせ表現を練っていく過程、なにより演奏家の息づかいが近しく感じられて、とても面白かった。

まず公開リハーサルで中目黒GTプラザホールへ。2000円、休憩を挟んで2時間強。
モーツァルト晩年の弦楽五重奏曲第5番ニ長調、冒頭のチェロが印象的な第一楽章から。ベートーベン以前の繊細な強弱や、「コク」のある音を丁寧に。第4楽章はロッシーニのオペラっぽく、第一ヴァイオリンが躍動。最後に第3楽章のメヌエットで踊る。第一ヴァイオリンは篠原悠那が可愛く伸び伸びと、第2が長身で落ち着いた感じの枝並千花、もうひとりのヴィオラが初対面だというちょっとやんちゃっぽい山本周、全体を締めるチェロは真面目そうな矢部優典。
背後のスクリーンで、ブラームスで加わるチェロの加藤文枝と、ライターの小室敬幸がリアルタイムで、大山氏のコメントなどを解説。聴衆もsli.doで書き込める仕組みに工夫がある。終了後の短い座談会で大山氏の暖かい人柄に触れ、桐朋学園では舞踊の講義があったといったお話も。

わずか3日後、築地本願寺2Fの講堂で本番。4000円、休憩を挟んで2時間強。格(ごう)天井や奥の扉(開演前にお坊さんが開けたら仏像が!)、掛け軸と洋風照明や重厚なカーテンの取り合わせが独特の雰囲気です。小さいステージをぐるり取り囲むスタイルで、貴族の館もかくや、という親密さが嬉しい。
まずリハーサルで聴いたモーツァルト、2曲目はブラームス弦楽録重奏曲第2番ト長調。雄大で恋人アガーテにまつわる音型で知られる第1楽章から、ロマ風の第2楽章をへて、軽やか、穏やかな終幕へ。ステージが近いので、かつて聴いた小澤国際室内楽アカデミー奥志賀などに比べ、格段に奏者の運動量、表現の迫力が感じられて楽しめた。終了後にまた座談会。合わせることの難しさと楽しみ。頑張ってほしいです!

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