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タンホイザー

タンホイザー  2023年2月

ワーグナーが楽劇に踏み出した1845年初演の人気作を、お馴染みヘルデンテノールのステファン・グールドが、昨夏のバイロイトでも歌ったというタイトロールで聴かせる。指揮はブエノスアイレス出身の若手アレホ・ペレス、オケは東京交響楽団。新国立劇場オペラパレスの前のほう、プログラムや解説会とセットで2万8000円。休憩2回を挟んで4時間強。

1幕、禁断のヴェーヌスベルクはオケがちょっとまったりした感じだったけど、ヴェーヌスのエグレ・シドラウスカイテ(リトアニアのメゾ)が甘美。2幕は舞台がテューリンゲンに転じて、エリーザベトのサビーナ・ツヴィラク(スロヴェニアのソプラノ)による殿堂のアリアから、テンションがアップし、合唱「大行進曲」でスペクタクルになだれ込む。
3幕が圧巻で、エリーザベトの祈りに始まり、ヴォルフラムのデイヴィッド・スタウト(イギリスのバリトン)がハープを従え、夕星の歌を朗々と。そしてお待ちかね、タンホイザーの複雑長大なローマ語り。あれよあれよと奇蹟のフィナーレとなりました~

伝説上のタンホイザーは、型破りな作曲家自身を投影しているのに対し、真面目なヴォルフラムのほうは実在した有名なミンネゼンガー(騎士歌人)なんですねえ。ベーヌスがビーナス、すなわちキリスト教以前の存在なのに対し、テューリンゲンのヴァルトブルク城が実在の世界遺産で、ルターの宗教改革ゆかりだとか、背景を習うとより面白い。

歌手は「リング」などで聴いてきたグールドはじめ、粒ぞろい。なかでも余裕たっぷりのスタウトが印象的だった。もうけ役の牧童で新国立劇場合唱団メンバーのソプラノ、前川依子が拍手を浴びてました。プロダクションは2007年初演のハンス・ペーター・レーマンの演出で、4度目の上演、私が観るのは3回目。透明な柱が美しくて好きな演出だけど、そろそろ新演出も、という感じかな。

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