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桜姫東文章

木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」 2023年2月

昨年、極め付けニザタマで堪能した鶴屋南北のはちゃめちゃ退廃劇を、チェルフィッシュの岡田利規の脚本・演出で。廃品が散乱するどこかの廃墟(美術は稲田美智子)にたむろする若者たちが、「そのワンオペまじむりなんで」とか「出た、またモノ扱い」とか、現代語訳の台詞を棒読みでつぶやく。さあさあさあ、と言いつつ見得に力は無く、のろのろ動く。これが現代のアナーキー、放置された者たちの物語ということか。
袖でだらだらする俳優陣の「いなげや」「ダルメシアン」等の大向こうにも脱力。休憩を挟んで3時間強が長かった。補綴・監修の木ノ下裕一は何がしたかったのかなあ。あうるすぽっとの中ほどで7000円。

清玄・権助を演じる成河の切なさ、桜姫の石橋静河の色気に期待してたけど、今回はほぼ封印。さすがに舞踊になるくだりの、2人の動きは美しかった。谷山知宏の破戒僧・残月にパワーがあり、ワルのコンビを組む長浦の武谷公雄も存在感。レゲエっぽい電子音のサウンドデザインは荒木優光。

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