« バッハ名曲演奏会 | トップページ | タンホイザー »

METライブビューイング「めぐりあう時間たち」

METライブビューイング2022-23 めぐりあう時間たち  2023年2月

マイケル・カニンガムの小説で1999年ピュリッツァー賞、映画版で2002年にアカデミー主演女優賞を獲得した原作を、ケヴィン・プッツがオペラ化。しかもルネ・フレミング(ソプラノ)、ケリー・オハラ(ソプラノ)、ジョイス・ディドナート(メゾ)の三大歌姫が競演とあってワクワク。
「ダロウェイ夫人」をモチーフに80年の時をへて、3人の女性それぞれの転機となった一日が重なる。視覚的な同時進行の妙と、響きあう音楽が物語を雄弁に表現し、ラストの三重唱に思わず涙。音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンが指揮、グレッグ・ピアスが台本を書き、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー「となりのトトロ」をヒットさせたフェリム・マクダーモットが演出と、なにからなにまで刺激的だ。2022年12月10日の上演。新宿ピカデリーで3700円。休憩1回を挟み3時間20分。

登場するのは、1923年イギリスに生きる不安定な作家ヴァージニア・ウルフ(ディドナート、映画版はニコール・キッドマン)、1949年ロサンゼルスで「ダロウェイ夫人」を読む平凡な主婦ローラ・ブラウン(オハラ、映画版はジュリアン・ムーア)、そして1999年ニューヨークでエイズの元恋人を世話するジャーナリスト、クラリッサ・ヴォーン(はまり役のフレミング、映画版はなんとメリル・ストリープ)。それぞれに行き詰まりを感じ、許されない恋心と死の誘惑を思い、それでも生きていくことを歌い上げる。

音楽は場所と時代に合わせて、時にジャズ調だったり多彩。歌手が期待通り聴かせる。特に大詰めのオハラの真に迫る表情は、さすがミュージカル女優。ほかにクラリッサのパートナーにきびきびしたキャスリーン・キム(韓国系米国人のソプラノ)、元恋人に艶っぽい声のカイル・ケテルセン(米国のバスバリトン)。

花束いっぱいの生花店やキッチンが色鮮やか。ディドナートの周りの手紙を書く女性たち、そしてマンハッタンの雑踏などのアンサンブルの見せ方も美しい。
案内役の女優クリスティーン・バランスキーがゲルブ総裁らにインタビュー。

« バッハ名曲演奏会 | トップページ | タンホイザー »

オペラ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« バッハ名曲演奏会 | トップページ | タンホイザー »