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十二月大歌舞伎「口上」「團十郎娘」「助六」

十三代目市川團十郎白猿襲名披露 十二月大歌舞伎 夜の部  2022年12月

11月に続いて襲名披露の「助六」。團十郎・玉三郎の華と、荒事の古風を堪能する。11月の感動はちょっと薄れたけど。三升一色の歌舞伎座、中央前の方の良い席で2万3000円。休憩2回で4時間弱。

飯田グループの牡丹の祝い幕から襲名披露「口上」。柿色裃勢揃いです。同世代の幸四郎、猿之助が同志の激励らしくていい。白鴎が病気休演で紹介役は左團次となり、菊五郎、仁左衛門の大御所が並んだという11月に比べると、男女蔵、高麗蔵ら一門はどうしても主役に遠慮するのが物足りないものの、にらみを拝めて満足。黙っている後列に、染五郎や中車の顔も。

25分の休憩を挟んで長唄舞踊「團十郎娘」。琵琶湖畔で怪力少女・お兼(ぼたん)が活躍する。長女登場に驚いたけど、11代目襲名で3代目翠扇(新派で活躍した11代の従姉妹)が踊ってるんですねえ。まず4人の漁師で種之助、鶴松が愛嬌を発揮。右團次らとお兼の怪力を試そうと企むところで、お兼のクドキ。後半の立ち回りで新体操みたいに長い白晒を操っちゃうし(布晒し)、漁師たちはブレイクダンスみたいだし、溌剌としてた。

35分の幕間のあと、いよいよ「助六由縁江戸桜」。2010年に先代團十郎以下のオールスター、2013年には海老蔵を福助・吉右衛門・三津五郎らが盛り立てたのが懐かしい。新團十郎にも派手さ、馬鹿馬鹿しさで、どんどん突き抜けていってほしいものです。
幸四郎の口上、加東節十寸見會連中に続いて揚巻・玉三郎の出がさすがの風格。悪態はまあ、抑えめだったかな。白玉・菊之助も堂々、意休の彌十郎に存在感があっていい。
助六はたっぷりの「出端」「ツラネ」から、意休を「時政似の」と呼んで笑いをとる。福山かつぎは巳之助できびきび。くわんぺら門兵衛の左團次がさすがにもう辛いなあ。白酒売・勘九郎がなんとも優しく、通人・猿之助はちょっと皮肉も効かせて笑わせる。児太郞はまだ傾城なんですねえ。
「助六」だけ再見できた月後半には、大詰めで玉三郎が母・満江に回り、團十郎と、揚巻を託された七之助が見送るシーンに継承を感じてジンとする。白玉は梅枝、意休が代演で松緑でした。あー、楽しかった。

ユニクロ提供の銀座で親子ゴジラが暴れている祝い幕は、なんと「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督のデザインで、格好良かった! おやつの人形焼き、30個に1個の隈取りは当たりませんでした~

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