ショウ・マスト・ゴー・オン
ショウ・マスト・ゴー・オン 2022年12月
大激戦でまったくチケットがとれなかったコメディの世田谷パブリックシアター追加公演を、配信で。大河ドラマ「鎌倉殿」を走りきった三谷幸喜の作・演出。
「いったん開けた幕は何が何でも下ろさない」というテーマそのままに、アクシデント続きで三谷自ら代演に次ぐ代演、この日はなんと4役目、鈴木京香の主役を演じちゃう。東京サンシャインボーイズ伝説の喜劇を28年ぶりの再演だそうで、たたみかけるドタバタの末に舞台人のプライドを高らかにうたい上げ、ちょっぴりほろ苦さもあって、期待を裏切らない。休憩を挟んで2時間半、3000円。
「マクベス」を上演する下手舞台袖のワンシチュエーションに、舞台監督(三谷)が陣どる。今風に演出家は外国人なんだけど、秋葉原で迷子になって現れず、きのう三谷に怒られた若手スタッフは無断欠勤。昨夜の酒が抜けない座頭(尾上松也)はマクベス、マクベス夫人、マクダフ独り占めのオレ様ぶりなのに怖がりで…
豪華キャストが皆、当て書きのように生き生きと、トラブルを巻き起こしちゃう。特に助手のウエンツ瑛士の呼吸が抜群で、「てなもんや三文オペラ」に続いていい存在感だ。松也とシルビア・グラブの芸達者ぶりがいかにも大物俳優らしく、伝説の小道具作り・新納慎也、差し入れ消化に燃える制作・峯村リエ(樹木希林みたいになってきたなあ)、よぼよぼ医師の浅野和之は飛ばしまくる。
「言ってくれれば書いたのに」と繰り返す脚本家・今井朋彦、スタッフの父で天然の小林隆が安定感を発揮。ほかにぱっとしない俳優に大野泰広、プロデューサーに中島亜梨砂(宝塚出身)、助手に秋元才加(元AKBで眉がつながってた巴御前!)、通訳に井上小百合(元乃木坂、やっぱりサックス吹いてた)、招待客の親分に藤本隆宏。舞台監督の恋人・小澤雄太(劇団EXILE)は、さすがに無理があったかな。音楽のお馴染み荻野清子も、ちょこっと演技してた。「スコットランドに松は無い!」がツボだったな~
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