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アンチポデス

シリーズ「声」vol.1 アンチポデス  2022年4月

1981年マサチューセッツ州生まれ、アニー・ベイカーの2017年初演作を、小田島創志(小田島家3代目!)訳、小川絵梨子演出で。「物語作り」に集まった男女9人が延々ブレストする、という設定だけど、ドラマ制作の裏話と思ったら見事に足をすくわれる。物語=人類が基盤にしている思想とか社会の成り立ちとかの揺らぎを問う、とても観念的な会話劇で正直、難しかった! 演劇好きらしい男性も目立つ新国立劇場小劇場、中ほどの席で6930円。休憩無しの2時間弱。

高層ビルにある会議室のワンセット(美術は小倉奈穂)。リーダーのサンディ(白井晃)がプロジェクトメンバーに、人生の体験を語らせる。死や性をめぐる下世話な告白を挟みつつ、ギリシャ神話、ヒンドゥー神話、聖書などの物語が繰り広げられる。新たなヒット作、怪物級の物語とは何か。果たして今この世界で、私たちはいったい何を共有できるのか。やがて外は激しい嵐となり…

アンチポデスとは対蹠地=地球の裏側、すなわち一番遠い他者ということか。そんな前衛に取り組む小川のチャレンジを、達者な役者陣が支える。白井は膨大な台詞をよどみなくこなし、トランプばりの野球帽をかぶった、どこか胡散臭い人物を造形して、舞台を牽引。ほぼ出ずっぱりのプロジェクトメンバーでは、高田聖子が難しいジェンダー話を、伊達暁がうざい男を、そして亀田佳明が傷つきやすい男を引き受ける。少し冷めたアシスタント役の加藤梨里香がなかなか強靱で、楽しみ。

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