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近江源氏先陣館

第327回令和4年3月歌舞伎公演 近江源氏先陣館「盛綱陣屋」 2022年3月

歌舞伎名作入門と銘打った「盛綱陣屋」は、タイトロールの菊之助が初役で。昨年11月に亡くなった岳父・吉右衛門の書き込みがある台本を手がかりにしたそうで、きめ細かい感情表現が、くっきりと知的だ。大健闘の息子・尾上丑之助(まだ9つ!)ほかキャストが揃って、見応えがあった。国立劇場大劇場の前の方いい席で8000円。解説を含め2時間半。

近松半二の義太夫狂言は、大坂冬の陣で敵味方に分かれた真田信之・幸村兄弟の悲劇を、鎌倉時代の佐々木盛綱・高綱兄弟に移したもの。まず中村萬太郎がご案内を務め、複雑な人間関係を大河ドラマ「真田丸」のテーマに乗せて明朗に解説してくれて、わかりやすい。ドラマでは大泉洋と堺雅人だったなあ。

25分の休憩を挟み、本編はいきなり盛綱と和田兵衛(中村又五郎が豪胆に)の問答「詰め開き」が緊迫。盛綱が弟・高綱に忠義を貫かせるため、母・微妙(我當門下の上村吉弥が三婆を柔らかく)に頼んで、生け捕った高綱の一子・小四郎に切腹させようとするシーンは、残酷な話なのにどこか母に甘える感じが面白い。
高綱の妻・篝火(中村梅枝がきりり)と盛綱の妻・早瀬(評判の中村莟玉が可愛め)の並列技法シーンは、矢文の応酬が魔法のよう。微妙と生き延びようとする小四郎(丑之助が可愛い!)の辛いやりとりに続いて、陣鐘太鼓が鳴ってからは怒濤の展開だ。
暴れの注進・信楽太郎(中村萬太郎)、道化の注進・伊吹藤太(中村種之助がうまい)がテンポ良く高綱討ち死を知らせ、曲者・北条時政(復帰の片岡亀蔵が堂々)が登場して、いよいよ首実検へ。唐突に切腹する小四郎が我慢の演技。贋首を成立させるまさかの大芝居と気づき、決断するまでの盛綱の無言の演技に引き込まれる。ずっと座ってる小三郎の小川大晴くん(梅枝の息子)も、まだ7つなのに頑張りました!
時政が去ってからはお決まり愁嘆場と思いきや、鎧櫃のトリックまであってびっくり。出入りの多い奥の浄瑠璃は、吉右衛門さんとも縁が深かったという人間国宝の竹本葵太夫。聴きやすかったです。

国立演芸場の演芸資料展示室「講談の歴史」に寄りました。

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