落語「代脈」「お見立て」「粗忽長屋」「妾馬」
第29回COREDO落語会 2022年1月
落語ファンが集まる感じの会で、いつも通りプロデューサー山本益博さんが入り口でお出迎え。ところが開幕の挨拶で、春風亭昇太さんがコロナから復帰して間に合った一方、今朝、三遊亭兼好さんから発熱の連絡があり、春風亭一之輔さんが代打ちで2席、とのことでびっくり。まあ、悪くないけど。日本橋三井ホール、中ほどで5500円。仲入を挟み2時間半。
開口一番は益博さんリコメンドの春風亭与いち。昔はいい加減な医者がいて、何をきいても葛根湯とか、最近の「見なし陽性」と変わらない、と笑わせて「代脈」。1998生まれ、一之輔弟子の二ツ目です。When the nightと歌い出す呼吸が巧い。表情とか師匠そっくりで楽しみです。
続いてその師匠が飄々と登場。鈴本平日昼はお客が一ケタ、兼好の高い声を真似、「次女」とのツイッターのやりとりで笑わせ、昇太の人柄をからかい、兼好が木乃伊取りをネタ出ししていて、今日、圓生全集読んだけど覚えられないので、別の郭噺で、と「お見立て」。男女の化かし合いの感じがワルっぽい雰囲気にぴったり。杢兵衛の訛り(千葉ならお手のものか)をさんざん強調しておいて、終盤「なんだ、言えるんじゃないか」というあたり、いい呼吸だ。
前半ラストは本日の笑点収録から復帰したという昇太。62歳!だけど自宅療養で肌がすべすべに、自分はそそっかしくて地元静岡の仕事に前日行ってしまい、大正琴を聴く羽目に、桂米團治襲名に呼ばれたら人間国宝・米朝さんの着物を忘れててびっくり、と振って「粗忽長屋」。新作のイメージが強いけど、プロデューサーのリクエストで古典。シュールでテンポがよくて、キャラに合っている。楽しそうな長屋だなあ。
長めの仲入後は、袴に着替えて再び一之輔。今は士農工商とか教えんのかな、とか言いつつ「妾馬」。母の愛情や兄の後悔でじっくり泣かせる談春らと違い、ヤクザな八五郎の勢いが際立って、実に格好良い。門番とのやりとりからマイペース、酔っ払っての都々逸が粋です。充実してました!
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