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九十九龍城

ヨーロッパ企画第40回公演「九十九龍城」  2022年1月

人気劇団の2年ぶりの新作公演。コメディながら、いつになくハードかつスピーディなタッチで、見終わってみればメッセージがくっきり。かつて香港に存在した高層スラム「九龍城砦」を模した3F建ての複雑なセットと映像、舞台ならではのスケール感が楽しい。作・演出上田誠。本多劇場の中ほどで5500円。休憩無しの2時間。

違法増築を繰り返してできあがった「魔窟」にうごめく群像劇だ。社会から脱落した「看板上」の住人(石田剛太ら)とがめつい大家(客演の早織がいい迫力)、夫婦げんかが絶えないチャーシュー屋、パチモンスマホ(実は電卓)屋、兄の行方を捜すショーパブの踊り子(藤谷理子)とマフィア…。そのいかがわしく馬鹿馬鹿しい日常を、刑事ヤン(中川晴樹)とリー(客演の金丸慎太郎)が遠隔監視するところから物語が始まる。リーが独断潜入しちゃってかき回し、不思議現象から、この場の奇想天外な「真相」が明らかになっていく。

名もない人々、ゲーム世界のモブたちの、ダメだからこその逞しい闘いに思わず拍手。シビアな香港の現状にとどまらず、ミヤンマーやウクライナや、地政学だの当不当を超えて感じること、どんな存在にもバグにも命がある!
猿みたいにするする移動する郵便屋さんとか、皆さん身体能力衰えず、声も通ってさすがです。新加入の藤谷が生き生きと、ライブの活力を増す感じ。美術は長田佳代子。

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