« 三三・兼好「子ほめ」「湯屋番」「三方一両損」「館林」「富久」 | トップページ | イモンドの勝負 »

文楽「仮名手本忠臣蔵」

第218回文楽公演 国立劇場開場55周年記念  2021年12月

師走といえば「仮名手本忠臣蔵」で、入りは上々、知人も多い。二、三、四段目の刃傷、切腹のくだりに、八段目の道行を合わせた変則上演だ。満場静まりかえる緊張感が心地良い。国立劇場小劇場、前のほう中央のいい席で6500円。休憩2回を挟み3時間。

桃井館本蔵松切の段からで、朗々と小住太夫、清𠀋。下馬先進物の段に続き、おかる勘平を大胆に省略して、殿中刃傷の段は聴きやすい靖太夫、錦糸。ヒール高師直の玉助が威風堂々、一段と柄が大きいのが新鮮だ。文楽ならではの豪快な高笑いが、悪の華を鮮烈に。ともに短慮の殿様・若狭助は玉佳、判官は簑二郎、悲劇の補佐役・加古川本蔵は勘市。
休憩のあと塩谷判官切腹の段は、渾身の織太夫を燕三がサポート。粛々と儀式が進み、床は無音となる「待ち合わせ」の演出で、ピーンと空気が張り詰める。ハラハラする力弥は簑太郎、じらしまくって駆けつける由良之助は玉志。諸士はツメ人形なのに、かなり演技するのが面白い。続く城明け渡しの段は、書き割りの変化で城が遠くなっていくのがダイナミック。
短い休憩を挟んで、道行旅路の嫁入は呂勢太夫、清志郎以下5丁5枚による、東海道の地名を織り込んだ舞踊だ。いきなり物語が進んで、清十郎の戸無瀬と簑紫郎の小浪が、やむにやまれず山科へ向かうシーン。簑紫郎が可憐で、これから女形をしょってたつ人だと感じさせる。観ているほうは大変な悲劇が待ち受けるのを知っているんだけど、大詰で琵琶湖に至り、ぱあっと視界が開けるのが、古典らしくていい。コンパクトながら、堪能しました!

Img_8817 Img_8823 Img_8821

« 三三・兼好「子ほめ」「湯屋番」「三方一両損」「館林」「富久」 | トップページ | イモンドの勝負 »

文楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 三三・兼好「子ほめ」「湯屋番」「三方一両損」「館林」「富久」 | トップページ | イモンドの勝負 »