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Le File 息子

Le File 息子  2021年9月

1979年パリ生まれ、フロリアン・ゼレールの戯曲を、2018年初演と同じラディスラス・ショラーが演出。じりじりする父子の葛藤を、岡本健一・圭人の親子共演で。なんとも辛い、現代家族のリアル。東京芸術劇場プレイハウスの中央やや上手寄りで8800円。休憩無しの2時間。

成功した弁護士ピエール(健一)のもとを、別れた妻アンヌ(若村麻由美)が訪れ、17歳の息子ニコラ(圭人)が不登校になり、手におえないと訴える。ピエールは若い再婚相手ソフィア(伊勢佳世)、赤ん坊と暮す自宅にニコラを受け入れ、立ち直らせようとする…
大人は3人とも、傷ついたニコラにどう接していいか迷う。時に愛情にあふれ、時にひとりよがり。そして誰も彼を救えない。ピエールが憎んだ父の猟銃が、親子という残酷さを象徴する。

相手の反応でどんどん変化していく緻密な会話を、俳優陣が達者にこなす。特にNY演劇留学帰りの圭人が、終始神経質な仕草で、自分をもてあまし病んでいく少年を描いて健闘。ストレートプレイは初なんですねえ。岩村がいくつもバッグを持ち歩いて、生活の疲れを造形。終盤、冷静な医師の浜田信也とちょっと不気味な看護師・木山廉彬が、状況を相対化する。

白い板を左右にスライドさせ、場面を転換するセットが無機質でシャープ。俳優陣の外国人ぽい仕草と相まって、テーマの重苦しさを救う。後方の窓格子など、照明のダイナミックな変化も効果的。月のように浮かぶライトは、明るい太陽だったはずの我が子の化身なのか。美術はエドゥアール・ローグ、照明は「フェイクスピア」などのチーフ・北澤真。

家族三部作の「Le Pere父」は映画化されて、アンソニー・ホプキンズの主演男優賞、ゼレール本人の脚色賞で2021年アカデミー賞を賑わせた。本作もヒュー・ジャックマン主演で撮影中とのこと。注目ですね。
立派なパンフレットは写真集のようです。客席で知人に遭遇。松岡昌宏くんの姿も。

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