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文楽「三番叟」「双蝶々曲輪日記(引窓)」「卅三間堂棟由来」「日高川入相花王」

第217回文楽公演 第1部・第2部  2021年9月

燕三さん紫綬褒章、そして勘十郎さんがついに人間国宝という、おめでた続きの文楽東京公演に足を運んだ。人形じゃなきゃできないアクションシーンが多く、知人にも会えて、楽しかった〜 国立劇場小劇場で1部ごと7000円。

まず第1部を、中央あたりの席で。休憩を挟み2時間半。
幕開けは大好きな「寿式三番叟」。玉助・玉佳の次世代筆頭コンビが、国立劇場55周年を祝い、コロナ退散、天下泰平を祈る。錣太夫・吉穂太夫・小住太夫ら、藤蔵・勝平・友之助らの5丁5枚がリズミカル。

休憩のあと、文楽、歌舞伎(吉右衛門&菊之助)で1回ずつ観た「双蝶々曲輪日記」。まず難波裏喧嘩の段で、相撲取りで大柄の濡髪長五郎(玉志)が恩ある若旦那・与五郎と遊女・吾妻を救おうと、侍を手にかけちゃう。素手でやっつける残酷シーンも、人形だからコミカルだ。立ち回りは御簾内のメリヤス。
続いてお馴染み八幡里引窓の段を、靖太夫・錦糸、呂太夫・清介の丁寧、聴きやすいリレーで。スカイライトからの、冴え冴えした月明かりの詩情が目に浮かぶ。そしてラスト、登場人物それぞれの板挟みが解き放たれて、清々しい。なかでも南与兵衛(なんよへえ)を勘十郎さんが格好良く遣って、拍手! 老母に勘壽、女房おはやに勘彌と堅実。

ランチをとり、1時間後に第2部を、前方中央のいい席で。休憩を挟み2時間強。
メーンは「卅三間堂棟由来(むなぎのゆらい)」。後白河法皇が寺院建立の折、髑髏と柳を供養したことで頭痛が治った、との伝承をベースにした、平太郎住家より木遣音頭の段だ。切で咲太夫・燕三が渋く聴かせ、続く奥では音楽的な呂勢太夫・清治が盛り上げる。
メーンのストーリーは柳の化身・お柳(和生)による「鶴の恩返し」なんだけど、珍しく極悪人・和田四郎(玉助)が登場するロングバージョン。東京では16年ぶりとのことで、派手なアクションが満載で面白い。和田四郎って政争に絡む人物のはずだけど、このシーンではひたすら理不尽な強盗ですね。
お柳が夫・平太郎(簑二郎)と幼子みどり丸(勘次郎)に哀しい別れを告げたところへ、「心の鬼の和田四郎」がどかどか乗り込んできて、カネ目当てに老母を酷い目に遭わせちゃう。人形じゃなきゃできません。玉助さんに勢いがあり、見栄切りまくり。「烏文字」の熊野のお札で、鳥目が治った平太郎の逆襲も派手。
ほかにもお柳のシルエットが浮かんだかと思うと壁抜けしたり、家の中に柳の葉が舞ったり、ファンタジーが満載だ。みどり丸が泣く泣く柳を引いていく、美しい木遣りで幕。

締めくくりはこちらもお馴染み、「日高川入相花王(いりあいざくら)」からコンパクトな渡し場の段を、三輪太夫・咲寿太夫ら、団七らの5丁5枚で。
愛しい安珍を追ってきた清姫(清五郎)が、蛇体に変身して川を渡る。ラスト、ぱあっと舞台が明るく、桜満開になるのに、姫が相変わらず「角出しガブ」の恐ろしい形相で終わるのが、サービス精神たっぷり。堪能しました!

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