落語「黄金の大黒」「代書や」「締め込み」「ふだんの袴」「船徳」「素人鰻」「七段目」
市馬落語集 お盆特別公演 2021年8月
国立劇場のなんと大劇場で、豪華メンバーの落語会。ちょっと見づらい中央あたりで5500円。短い休憩と中入りを挟んで、たっぷり4時間堪能しました。オフィスエムズ。
第一部は「三宅坂 令和噺競(れいわのはなしくらべ)~九代目春風亭柳枝襲名祝~」と銘打ち、まず市馬一門の二ツ目・柳亭市童で、長屋の面々が楽しい「黄金の大黒」。桃月庵白酒が空気を変え、「代書や」。権太楼さんで聞いたことがある噺。履歴書を書いてもらいに来る男のトンチンカンさが、飄々とした味わいにぴったりで可笑しい。ちらほら噺家ネタも挟まり、続いて登場の柳亭市馬が、白酒は意外と毒をはくなどと語りつつ、「締め込み」。いつもながら正攻法で気持ちいいです。
10分の中入りがあり、春風亭一之輔が、柳枝とはいとこ関係(師匠の春風亭正朝と自分の師匠の一朝が、柳朝門下の兄弟弟子)と、正朝さんの思い出などを語り、安定の「ふだんの袴」。いつもながら、いたずらっ子みたいな表情が愛らしい。エールを受けて春風亭柳枝が、夏らしい「船徳」を行儀良く。3月に正太郎から真打ち昇進だったんですね。
20分休憩のあと、第二部は「久方振(ひさかたぶり)長講二人会」として、まず柳家三三。長講ってことだけど、押しててもう持ち時間が10分ぐらい…と笑わせつつ、「素人鰻」をテンポ良く。初めて聴いた噺。明治になって武士が鰻屋を開業、頼りの「神田川の金」は腕は良いが酒癖が悪く、ついに店に現れず、主人自ら鰻をさばく羽目に… 指で表すにょろにょろ鰻がリアル!
お楽しみとして三味線の太田その、柳沢きょうによる端唄「上げ汐」を風流に。そしてトリは市馬さんが再び登場。お囃子連中は奥ゆかしいので御簾内でと解説し、大劇場にぴったりの「七段目」!名調子に下座、ツケも入り、ジャラジャラジャラと舞台が目に浮かびます。古典はいいなあ。面白かったです!
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