講談「山中鹿之助 」「河内山宗俊」「復讐奇談安積沼 」
春陽党大会2021・夏 2021年7月
ちょっと久々の神田春陽さん。知人にも久々遭遇の神保町らくごカフェ、予約で2300円。
前座は神田伊織で「山中鹿之助」から「清水寺の見染」を勉強。後の山陰の麒麟児が修行中の若き日、京で公家のお姫様と出会う。端正、はきはき。
続いて神田春陽が登場すると、がらっと雰囲気が変わる。ワクチン話で笑わせてから、歌舞伎でもお馴染み天保六歌撰を解説して「河内山宗俊」の「丸利の強請」。悠々とした口調から、悪を悪とも思わない大者感が伝わってくる。
仲入り後はゲストの三遊亭天どん。3代目三遊亭圓丈の門下。初めて拝見したけど、ふにゃふにゃして不思議な雰囲気だ。張り扇、釈台をぎこちなく使い「今日は講談を聞けたから満足」「真景累ヶ淵とかやるけど、名前忘れちゃうんだよね」(六代目三遊亭圓生の孫弟子!)と脱力のマクラから、夏らしく?経営不振のお化け屋敷の新作。リニューアル担当がお化け役を相手に、「昭和の会社あるある」を繰り出して笑わせる。
最後は再び春陽さん。昨秋に神田明神のイベントで、児玉竜一早大教授の「デジタル妖怪引幕」解説とともに読んだエピソードを語り、コハダだけに回転寿司話で笑わせてから、本日の眼目「復讐奇談安積沼(あさかのぬま)」の「木幡小平次」。これは怖かった! 北斎「百物語」にも登場する幽霊役者の小平次が、旦那の二代目団十郎をしくじって旅回りに出ているところ、女房の密通相手の悪党兄弟に郡山・安積沼へ突き落とされて落命。「本物」の幽霊となって江戸に舞い戻る。山東京伝の原作を「桜姫」の大南北が歌舞伎化、映画や小説にもなってるんですねえ。殺しシーンの陰惨さもさることながら、いとも軽く殺すことにしちゃう悪党たちの刹那感が凄まじい。ゾクゾクしました~
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