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桜姫東文章 下の巻

六月大歌舞伎 第二部 桜姫東文章・下の巻 2021年6月

四月の上の巻に続いて、即日完売、令和演劇の「事件」を見届ける。上の巻の可憐なお姫様から、なんと下級女郎にまで身を落とした桜姫=玉さまの振り幅の大きい魅力が全開だ。歌舞伎座中央のいい席で1万5000円。休憩を挟んで2時間半。

まず舞台番・千次郎が上の巻の粗筋を紹介して、序幕・岩淵庵室の場から。荒れた庵室、青とかげの毒、墓堀り、幽霊…と、コミカルとグロテスクが入り交じって、いよいよ大南北らしい。落ちぶれた残月(歌六)・長浦(吉弥)が清玄(仁左衛門)を襲う。鮮やかな早変わりで現れたワルの権助(仁左衛門)が、残月らを叩き出す。傘一本もって引っ込む歌六さんが可笑しい。後半は桜姫が、凄惨なもみ合いの末に清玄を殺し、亡霊の怨念で権助が醜く面変わりすると、いよいよ覚悟を決める。

休憩後の二幕目・山の宿町権助住居の場では、人気女郎・風鈴お姫となった美しい桜姫と、大家におさまった権助が並んで寝転がるシーンの、なんともチャーミングなこと。江戸の退廃、ここにきわまれり。すっかり腹の据わった桜姫は、お嬢さま言葉が交じった緩急自在の啖呵で幽霊とわたりあい、さらには父弟の仇とわかった権助を討っちゃう、あれよあれよの展開。めちゃくちゃだけど痛快だなあ。

大詰・浅草雷門の場は一転、三社祭に浮き立つシーン。家宝を取り戻した桜姫があっけらかんとお姫様に戻り、ニザさまが、まさかの立派な捌き役・大友常陸之助に変じて、めでたしめでたし。都合よすぎる大団円がまた歌舞伎の醍醐味です。あー、面白かった。

 

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