文楽「吉田屋」「寺子屋」
第215回文楽公演 第二部 2021年2月
3部制の東京公演で、第1部が鶴澤清治文化功労者顕彰記念(文楽初!)だったけど、今回は第2部へ。中央前寄りのいい席で6400円。3時間。
「曲輪文章(ぶんしょうは一文字)」吉田屋の段は、楽しい「餅搗き」に続いて、メーンの太夫は掛け合いで。渋い咲太夫、朗々と織太夫、藤太夫ら5枚に、燕三、ツレ燕二郎と豪華だ。藤太夫さん、力が余ってたな。
仁左衛門・玉三郎で2回、文楽でも今度が2回目の演目。この脳天気な感じが大好きだ。餅つき、太神楽という暮れの賑やかな郭風情もいいし、伊左衛門(玉男)の零落しても若旦那らしい洒脱さ、可愛さ、ド派手な夕霧(清十郎)のクドキの真情も楽しめる。吉田屋女房の蓑助さんは高齢のため、大事をとって休演で寂しかったけど。
短い休憩を挟み、打って変わって悲劇のご存知「菅原伝授手習鑑」四段目。寺入りの段に続けて、寺子屋の段。折り目正しい呂太夫・清介から、体当たりの藤太夫・清友というリレーで安定。
意外に文楽で観るのは2回目。松王丸の玉助が大熱演で、観ている方もぐっと力が入る。とにかく駕籠から出てきた瞬間の、見上げるような大きさからして圧倒的で、若々しい。「笑いましたか」、しどころの泣き落としで小さく拍手。源蔵(玉也)の苦悩、我が子を犠牲にする千代(蓑二郎)の悲嘆もきめ細かく、白装束になってのいろは送りの音楽性まで、重厚でした!
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