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談春「権助魚」「粗忽の使者」「あたま山」「妾馬」

春談春 お友達と共に 2021年1月

日替わりで実力派のゲストを迎えた、充実の5日連続公演の楽日、夜の部に足を運んだ。この日の「お友達」花緑と、トークもありの大サービス。受け継ぐ思いを語り合い、なんだか角が取れてきた感じ。緊急事態下だけど少し空席がある程度の、改装を控えた紀伊國屋ホール、中央あたりで5000円。仲入りを挟んでたっぷり3時間、贅沢でした。

開口一番は元気なこはる。久々だなと思ったら、「真打ち昇進を目指して」2020年は活動を休止していた、コロナより先に自粛していた、と笑わせて「権助魚」。権助が奥様に1円貰って、旦那の新しいお妾を探ると約束するが、旦那から2円貰って寝返り、「知人に会って、隅田川で網打ちをして遊んで、湯河原へ」と説明するため、魚屋で「網打ち魚」を買うが、これがニシンだの目刺しだの蒲鉾だの…という楽しい噺。もう入門14年目だそうで、満を持しての活動再開、よかったです。
続いて談春。仲入り前のステージは撮影OK、年末に肺炎で入院した志の輔はコロナではなく回復した、今回は「お友達」同士で「友達だった?」と話しているらしい、花緑とは喧嘩したことない、2日国立演芸場で一緒で嬉しかった…などと話して、「赤井御門守」について説明して「粗忽の使者」。相変わらずテンポが良くて爆笑です。
続いて花緑。「笑って免疫向上を」とコロナ対策をとうとうと語り始め、なんと袖から談春がマイクで止めちゃう。仕方なく、こんな時だから明るく春の噺で、と前にも聴いたシュールな「あたま山」。相変わらず人物の演じ分けがくっきりし、とぼけた感じが絶品だ。「長屋の花見」「花見の仇討ち」「愛宕山」、さらには池になって「野ざらし」、前座が演目間違っちゃうよ、と大サービス。終わって撮影用に、めくりの横でポーズとってくれました。

仲入り後は談春が出てきて、マクラ無しで「妾馬」。いきなり八五郎が大家に羽織を着せられたシーンからテンポよく。経緯を聞かされ、赤井御門守の屋敷に行く途中、老母に叱られるところで泣かされる。笑いたっぷりなんだけど、大詰めでは遊び人・八五郎の駄目加減と後悔を掘り下げていて、問答無用で泣かせる志の輔バージョン(出世せず)よりもドラマチックな印象。いいなあ。オチは1席目につなげてました。
そのまま座布団を出して花緑とトーク。談春が小さんに落語会ゲストを頼みに行って、懐に飛び込んだ、噺をじっくり教わった、談志も稽古が長く、いろいろな噺家のバージョンをみせて100年さかのぼる、前に噺をとっかえっこして談春は花緑から「唖の釣り」を教わった、一度聴いたら覚えちゃうのでびっくりした…等々。小さんが大事にしたという紀伊國屋で13年ぶりの会とあって、感慨深い感じでした。手締めで幕。

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