令和三年正月初席・吉例落語協会初顔見世特別講演「新春爆笑特別興行」第三部 2021年1月
初笑いで、けっこう入っている上野鈴本演芸場へ。人気者・ベテランの豪華メンバー、めでたい色物も楽しい。中央あたりで3500円。短い仲入りを挟み、3時間半たっぷり。
三増紋之助の干支の牛が登場する曲独楽に始まり、柳家小平太「代脈」、柳亭燕路「狸の札(狸の恩返し)」、笑組の漫才と古風なリレー。お楽しみ宝井琴調の講談「堀部安兵衛と浅野内匠頭の出会い」はなんとも豪快で格好いい。古今亭志ん橋(志ん朝門下)の「親子三人馬鹿」は与太郎家族が竿で星を落とそうとするという場面がファンタジー。ギター・ペペ桜井&リコーダー・のだゆきの「春の海」でびっくりし、桃月庵白酒は「新版三十石」がさすがの安定感。ひどい訛りの浪曲師が「石松三十石舟」を語る。志ん生「夕立勘五郎」を師匠・五街道雲助がアレンジしたそうです。白酒には熱心なファンがいますね。柳家小里ん(小さん門下)「親子酒」、粋な柳家小菊の粋曲を挟み、お待ちかね柳家権太楼が「つる」。いつもながらチャーミングだなあ。
仲入り後は太神楽社中の初春らしい寿獅子があり、春風亭一朝がお馴染み「初天神」を短めに。この噺にしては上品かな。続いて江戸家小猫が鷹だのヌーだのシマウマだの、いつものマニアな鳴き真似を朗らかに。そしていよいよ柳家喬太郎。なんと「つる」のウルトラマンジャックバージョンで大爆笑。紙切り林家正楽の見事な獅子舞やヌーを挟んで、トリは柳家三三が、都知事要請で「初天神」は禁演になっている、世の中何があるかわからない、まさか寄席でウルトラマンとは、などと笑わせて「洒落将棋」。「浮世床」の煙管と鬢付の悪戯部分で、圓生バージョンらしいです。バカバカしくも、夢中で悪戯に気づかない2人のリズムが絶妙。面白かったです!