そして春になった
m&Oplaysプロデュース そして春になった 2020年12月
大好きな岩松了さんの作・演出の朗読劇。といってもかなり動きがあるし、桜や湖面の照明も綺麗で、二人劇の感じだ。因縁と歪んだ共犯関係。怖い女への奇妙な憧憬というべきか。岩松さんらしい余韻があって、短編小説の味わい。演劇好きが集まった感じの本多劇場、前のほう中央のいい席で5500円。休憩なしの1時間。
映画監督の妻(松雪泰子)と愛人(ソニン)が、モノローグで葛藤の日々を回想する。別の日程では片桐はいりと瀧内公美バージョンも。持っている台本wp落として、入れ替わるあたりが緻密。監督が現実の女の影を、映画撮影の話だと誤魔化した、そんな虚実の混濁が面白い。
松雪は嫉妬する役だけど、スリムな赤紫のドレス姿、持ち前の凛とした気品で、舞台を支配。対するソニンも、クライマックスで白いドレスに転じて懸命さを表現。単なる女同士のバトルにならず、全体がお洒落なのがさすが。照明は沢田祐二、美術は中根聡子。
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