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万作「法師ケ母」「棒縛」「茸」

万作を観る会  2020年11月

年1回の人間国宝・野村万作主催の会に足を運んだ。初見の演目が珍しくて堪能。全席使った国立能楽堂の正面、やや後ろ寄りで1万円。休憩2回で2時間弱。

幕開けに素囃子「盤渉楽(ばんしきがく)」を10分。笛、小鼓、大鼓3人だけで笛の調子が高い。
狂言はまず「法師ケ母(ほうしがはは)」30分。酔って帰った夫(野村万作)が妻(中村修一)に悪態をつき、「暇をやる」と段熨斗目(だんのしめ、ボーダーの小袖)を与えて追い出したうえ、また呑みに行く。妻は子供が可愛そうと嘆く。後半は「ものに狂うも五臓ゆえ…」と謡になり、酔いが冷めて後悔した夫が、必死に妻を探す「カケリ」へ。巡り合った妻に「見目の悪きとは只酔狂のあまりなり 誠は見目もよいものを」。しょうもない夫! ご機嫌でヨタヨタ歩く万作さん、巧いです。地謡は野村裕基、高野和憲、野村萬斎、内藤連、飯田豪。

20分の休憩後は、酔っぱらいつながりで「棒縛」30分。棒に縛られた太郎冠者(声が通り、お茶目な野村遼太)と縄で縛られた次郎冠者(石田淡朗)が、主(飯田豪)の留守に盗み酒。あの手この手で酔っぱらい、いい気分で踊りだす。帰った主の姿が盃に映っても、ご陽気で…。ライブではかなり前に中村屋兄弟の歌舞伎舞踊で観た演目だ。狂言はシンプルにキレがよくて、楽しい。後見は高野和憲。
ラストは珍しい「茸(くさびら)」20分。この辺りの者(石田幸雄)が山伏(衣装も美しい萬斎)に、屋敷内に生えたキノコを退治してほしいと頼む。山伏はもったいぶって「ボロン」などと唱えるが、色とりどりの茸(裕基、中村修一、内藤連、飯田豪、石田淡朗ら)が「ホイホイ」と増殖、橋掛かりから傘を持った鬼茸(野村太一郎)まで現れて、山伏は逃げ出しちゃう。偉そうな山伏がどんどん自信をなくす様が、権威を笑いのめす狂言の真骨頂だ。面と傘をつけ、腰を落とし、つま先で器用に舞台いっぱい走り回るキノコたちが爆笑もの。さすが体幹が強いなあ。後見は野村遼太。いろんな狂言があって面白かった。
売店で能装束の縮緬マスクを購入。終わって外へ出たら虹。

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