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歌舞伎「連獅子」「吉野山」

八月花形歌舞伎 第一部・第三部 2020年8月

5カ月ぶり再開の歌舞伎座公演は、それぞれ1幕1時間程度の4部制。休憩ごとに観客を入れ替えて換気や消毒、売店も大向こうも無し、と寂しい限り。それでも幕があがれば、派手で非現実的な世界に、ぐっと気分が高揚します。なにせ個人的には歌舞伎は1月以来、歌舞伎座に至ってはなんと昨年10月以来だもの。感激。それぞれ2Fの端の方で8000円。

幕開けの1部「連獅子」は上方次世代コンビで、愛之助が狂言師右近→親獅子で舞台を牽引。左近→子獅子の壱太郎は眼力がいいけど、毛振りはちょっと大変そうだったかな。間狂言は成駒屋兄弟が初々しく。浄土の僧の橋之助は立ち姿が役者らしく、法華の僧の三男、歌之助は愛嬌がある。

いったん劇場を出て散歩してから、3部「義経千本桜 吉野山」。役者3人の抜群の安定感で、見応えがあった。なんといっても忠信=源九郎狐の猿之助が、すっぽんから登場した時点でもう「やらかしてやろう感」が満載で目が離せない。相変わらず動きにいちいちキレがあり、硬軟自在。大人気ドラマ半沢直樹に出ている場合じゃないよ、よかった舞台があって、と思わせる。対する静御前の七之助もキリッと美しい。ころんとした猿弥が逸見藤太。この「万歳」のくだりはカットされやすいそうだけど、主役2人の名前をダジャレにしたりして、達者に笑わせてくれました。

1部は能舞台風で長唄囃子、3部は清元、上手に竹本。三味線っていいなあ、としみじみ。
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