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ラ・ボエーム

ラ・ボエーム  2020年2月

2020年初オペラは新国立劇場。高水準の歌手陣で、王道プッチーニ節の青春ドラマにひたる。指揮はミラノ生まれ、きびきび艷やかでテンポ自在なパオロ・カリニャーニ。東京交響楽団。新国立劇場オペラハウスの通路前最上級の席で2万1384円。休憩2回で3時間弱。

ミミは新国立初登場のニーノ・マチャイゼ(ジョージア出身のソプラノ)。お針子にしては貫禄だけど、そのぶん牽引力があって、都会のひとり暮らしという現代的なキャラが納得できる造形。2008年ザルツブルクで、ネトレプコの代役でジュリエットを歌って注目された人なんですね。声量豊かで特に後半、調子を上げたかな。期待のムゼッタ、辻井亜季穂は大学からドイツに渡り、現在はヴュルツブルク歌劇場専属ソプラノ。小柄だけど華があり、大好きな2幕のワルツ「私が独りで街を行くと」は青いドレスで堂々たるもの。終盤にみせる優しさの演技もよかった。海外で活躍する日本人歌手を聴くのは楽しいな。
男声陣も安定していてバランスがいい。不器用な詩人ロドルフォのマッテオ・リッピ(ジェノバ生まれ、まだ30代の新進テノール)はさすが若くて伸びがあり、同居する画家マルチェッロのマリオ・カッシ(イタリア出身のバリトン)と共に新国初登場。しっかり者の音楽家ショナール、森口賢二(バリトン)にコメディ味があり、哲学者コッリーネのお馴染み松位浩(バス)は、4幕「古い外套よ、聞いてくれ」が染みた。

粟國淳のプロダクションは2003年から再演を重ねた定番だけど、意外にも初見。雑然とした屋根裏部屋、雪のアンフェール関門はオーソドックスに、また2幕クリスマスイブのカルチェラタンは、これでもかという賑わいと、人力で建物のセットを動かすダイナミックさが素晴らしかった。

終演後は友人と、年明け早々に発表された2020-21シーズンのパンフを検討しました。ワーグナーやヴェルディ、プッチーニの定番に新制作、ダブルビルやオリエ演出もあってバラエティ豊か。歌手も充実しているらしい。楽しみ~

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