浜町寄席「人情匙加減」「仙台の鬼夫婦」「文七元結」
明治座浜町寄席「話芸三昧~喋る・唸る・語る」 2020年1月
夢空間制作で、話芸3ジャンルの人気者が揃う贅沢な会。それぞれに安定感があって楽しい~ ロビーの売店が賑やかな演歌の殿堂・明治座、前の方で4800円。仲入りを挟んでたっぷり2時間半。
開口一番は三遊亭白鳥の弟子で、ぐんま。肩をぐるぐる回しながら出てきて、不穏なムードのまま、銭湯で出会ったタイガージェットシン似のインド人に迫られる、微妙なマクラ。「え、これで古典いくの?」と子供に言わせて「初天神」。
続いて出てきた神田松之丞が、このマクラをいじり倒して、いきなり爆笑。さすがです。2月に真打ち昇進で伯山を襲名するから、松之丞で聴くのは最後。「すでに相当押しているけど、いいよね」「今日のネタは宝井琴調先生に習って今朝OKを貰ったばかり、初めて習ったときは怖かった…」「冒険できるのも今のうち」などと笑わせつつ「人情匙加減」。大岡政談のひとつなんですね。
若い医者が料理屋での雨宿りが縁で芸者と深い仲に。勘当されつつも医業に精を出し、体を壊した芸者を身請けする。強欲な料理屋の主人は、芸者が無事回復したと知ると、身請けを取り消そうと訴え出る。「この話は大岡越前が出てくるまでが長くて」と、終盤で名奉行登場。薬代やらを持ち出して、主人を懲らしめて、めでたしめでたし。「ネタおろしにしては、よくできた」と、いつもの大者ぶり。落語っぽい庶民の話のせいか、以前のこってり、しつこい印象が薄れて、いい頃合いだった。
仲入り後は演台がセットされて、お馴染み玉川奈々福と沢村豊子。節と啖呵、テーブル掛け、曲師との呼吸など浪曲の楽しみポイントをたっぷり解説。昨年は海外公演が多く、外国で妻の薙刀シーンが大いに受けた、と紹介して「仙台の鬼夫婦」。
3大将軍家光の時代、賭け碁に熱中していた武士・井伊直人が、妻・お貞との立ち会いに負けて江戸へ剣術修行に行き、大成するという出世談だ。講談「寛永御前試合」のアレンジとのことで、こちらもリズムがよくて、爽快でした。ちょっと拍手をねだり過ぎな気もするけど…
曲者2人に後で、トリは柳家三三。さて、どうするか、と思ったらマクラ無しで、なんと「文七元結」。一気に会場の空気が締まるのが、凄いです。なぜ五十両やってしまうか、の解釈よりも、江戸の職人の勢いが全面に出て楽しい。そして家族の情で泣かせちゃう。面白かったです!
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