恐るべき子供たち
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 恐るべき子供たち 2019年6月
ジャン・コクトーの1929年の代表的小説を、上演台本・ノゾエ征爾、白井晃のシンプルで洗練された演出で。若手4人は健闘だけど、耽美的というには色気が今ひとつだったかな。若い演劇好きが集まった感じの、KAATの大スタジオで6500円。休憩なしの1時間40分。
幼友達ジェラール(松岡広大)を語り手に、親の愛を知らない美形の姉弟の、閉鎖的で歪んだ愛憎を描く。勝ち気な姉エリザベート(南沢奈央)は、病弱な弟ポール(柾木玲弥)を庇護することに執着し、ポールとモデル仲間アガート(馬場ふみか)との恋を許せずに、破滅へと突き進む。
四角い舞台に白い布を積み重ね、俳優が広げたりはためかせたりして、子供時代の雪合戦や旅行先の砂浜、妖しいベッドのシーツなどを見せていくのが巧い。美術は2014年「背信」などの松岡泉。
原作の発表当時、センセーショナルだったという同性愛や近親相姦のイメージは、今やそれほどショッキングではない。本作でも、入浴シーンや繭にこもるような描写は十分刺激的なはずだけど、いかんせん若い俳優陣4人の存在感が溌剌としていて、健康的過ぎたかも。まあ、これから変化していくんだろうけど。なかでも馬場の透明感に注目。複数の役で真那胡敬二らがアシストしていた。
個人的にフランス戯曲は昨年末、ジャン・ジュネ「女中たち」を観たぐらいで馴染みが薄い。コクトーは交友だけでも晩年のプルーストからモジリアーニ、ピカソ、フジタ、サティ、ニジンスキー、ピアフ、シャネル…と超華麗。芸術家たちへの影響も大きいんだろうなあ。
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