ハムレット
Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019 ハムレット 2019年6月
蜷川版やジョン・ケアード版で観たシェイクスピア劇を、ロイヤル・ナショナル・シアターのアソシエイトディレクター、サイモン・ゴドウィン演出で。日本初登場の気鋭は乾いた笑いの中に、なんとかして「罪」を避けようとする貴公子の覚悟の無さを突き放す。オフィーリア、黒木華の透明感が際立っていた。河合祥一郎訳。シアターコクーン、後方中央で1万500円。休憩を挟んでたっぷり3時間。
スートラ・ギルモアの美術・衣装は後方に塔を配し、3層構造の上下動と前方の回り舞台がスピーディー。人物はスーツにピストルの風体で、切れ味鋭いダークファンタジーの造形。時折雪が舞うところは唯一北欧らしいかな。
2015年蜷川版の藤原竜也&平幹二朗、2017年ケアード版の内野聖陽に比べちゃうと、タイトロールの岡田将生、敵役クローディアスの福井貴一(四季出身)の存在感が軽めなのは否めない。その分、普通人の「小ささ」が前面に出た印象で、面白い。なんだか貫禄が出てきた岡田くん、狂乱を装ってからはピエロ風メークとパンクないでたちで、膨大なセリフと格闘してました。
ほんのちょっとしか出番がないノルウェー王子・フォーティンブラスの村上虹郎が、小柄なのに凛として目立つ。そして舞台の雰囲気を決めてたのは、徹底してコミカルな顧問官ボローニアスの山崎一だ。あっさり殺されちゃうけど、小ネタ満載、どこかしたたかさもある。ボローニアスに引っ張られて、一番何がしたいかわからない存在の王妃ガートルードの松雪泰子も、コメディ比率が高かったかな。ハムレットとの決闘になだれこむレアーティーズは劇団EXILEの青柳翔、親友ホレイシオはさいたまネクスト・シアターの竪山隼太とフレッシュ。
« 落語「初天神」「火焔太鼓」「甲府い」 | トップページ | 恐るべき子供たち »
「演劇」カテゴリの記事
- 2025年喝采づくし(2025.12.31)
- 今は昔、栄養映画館(2025.12.25)
- スリー・キングダムズ(2025.12.12)
- 雨の傍聴席、おんなは裸足…(2025.11.29)
- チェーホフを待ちながら (2025.11.15)

コメント