正蔵「双蝶々」
噺小屋in池袋 皐月の独り看板 第二夜 林家正蔵「双蝶々」通し 正蔵ダークサイド 2019年5月
3月に談春で聴いた、身も蓋もない悪人噺を、正蔵で。子供の健気さなどに定評があるけど、ワルもいける、と思ってた。前座なし、マクラもほぼ振らずに、定吉殺しまでの「小雀長吉」。中入りを挟んで「雪の子別れ」で2時間弱。落語好きのグループが目立つ東京芸術劇場シアターウエスト、上手寄り前の方で3600円。
父子の再会の情よりも、南北並みの不条理に力点がある感じ。番頭、小僧もワル、長吉も奥州で一家を構える親分というより、ケチな強盗の造形だ。大詰めは黙阿弥ばりの七五調になだれ込み、芝居っけたっぷりで盛り上がる。歌舞伎好きの正蔵らしく、暗い噺なんだけど、楽しめる。これが芝居噺というものか。
三味線、鳴り物に三番弟子・林家はな平の附打が加わる。プログラムには殺陣指導・市川新蔵の名も。成田屋仕込みとは、さすが凝り性だし、贅沢だなあ。
« 文楽「妹背山婦女庭訓」 | トップページ | 運命の力 »
「落語」カテゴリの記事
- 落語「転失気」「浜野矩随」「二階ぞめき」「三枚起請」「初天神」「鰻屋」「稲葉さんの大冒険」「普段の袴」「星野屋」(2022.08.07)
- 落語「磯の鮑」「野ざらし」「猫忠」「一人酒盛」(2022.06.12)
- 談春「山号寺号」「桑名船」「札所の霊験」(2022.05.06)
- らくご「寄合酒」「代脈」「抜け雀」「ロボット長短」「品川心中」(2022.04.16)
- 落語「普段の袴」「ちりとてちん」「不動坊」「疝気の虫」「品川心中」(2022.03.26)
コメント