« 2018年喝采づくし | トップページ | 志の輔らくご「モモリン」「井戸の茶碗」 »

歌舞伎「姫路城音菊礎石」

初春歌舞伎公演 通し狂言 姫路城音菊礎石(おとにきくそのいしづえ) 2019年1月

2019年観劇初めは、国立劇場の初日初体験と、初づくしだ。吉例音羽屋まつりで、お孫ちゃん2人も出演するとあって、劇場全体が親戚の新年会のように温かい雰囲気。大向うも盛大です。
開場前の行列に驚いていたら、鏡開きの場所取りなんですね。振る舞い酒に、曲芸や獅子舞、ロビーには歌舞伎キャラの羽子板も。国立劇場大劇場、花外の2等A席でお得な4900円。小刻みな休憩3回で約4時間。
演目は国宝姫路城の鬼女伝説、狐の報恩譚、播磨のお家騒動をからめた並木五瓶「袖簿播州廻」(初演1779年)がベースで、登場人物が多くけっこう複雑。「闇梅百物語」(初演1900年)の鬼女は、尾上家の新古典演劇十種に数えられているそうだ。大きな舞台を目一杯使い、晴れ晴れした姫路城、菊之助、梅枝の姿の良さ、そして孫たちの役者ぶりが見ものです。
導入はお家騒動の発端。曽根天満宮境内の場で、忠臣・源吾(小柄な萬太郎が活躍、時蔵の次男)が、桃井家の嫡男・陸次郎(美しい梅枝)の郭遊びを諌めるよう、双子の弟・八重菊丸(梅枝2役)に頼む。
続く姫路城内奥殿の場は、善悪の2転3転をテンポよく。将軍上使の兵庫之助(立派な時蔵)と播磨大学(片岡亀蔵が安定の憎々しさ)が陸次郎の遊興を責め、家老・内膳(立派な菊五郎)がとりなし、弟・大蔵(彦三郎)の罪にすると見せて、実はスケールの大きいワル。手水鉢に仕込んだ毒で陸次郎はあえなく落命、傾城尾上(美しい尾上右近)に2人の愛息・国松を託す。
姫路城外堀端の場は不穏な夜。重臣・主水(松緑、近くで見ると顔の小ささが際立つ)が内膳と間違って、駕籠に乗った城主・桃井修理大夫(楽善)を槍で討ち、罠にはめた内膳にあっけなく成敗されちゃう。
ランチ休憩を挟んで姫路城天守の場は、月が出て幻想的に。桃井家断絶で封鎖された城に、妖怪出没の噂がたつ。若武者・弓矢太郎、実は桃井家家臣の純太郎(菊之助)が退治に乗り込むと、妖怪ではなく、十二単・緋袴の後室・砧の前(時蔵)、腰元に扮した八重菊丸らが立てこもっていてびっくり。純太郎はお約束、重宝・東雲の香炉を盗んだ敵の大学を討ち、八重菊丸を預かる。
休憩後は気分を変えて、明るい舞子の浜から。百姓・平作、実は死んだはずの主水、その妻お辰(菊之助)が、妹の尾上と若君・国松(可愛い寺嶋和史)を匿っている。
続く大蔵谷平作住居の場は、やけに登場人物が多く、対話が続いてダレ気味。訪ねてきた旧臣・新平(凛々しい坂東亀蔵)が主水の過誤を責め、ワルの内膳家来・判蔵(橘太郎)も国松の首を要求。主水は迷子の福寿(ちょっと大人の寺嶋眞秀)を身代わりにと考えるが、主水の正体は桃井家に恩ある与九郎狐で、福寿はその息子と判明。妻の小女郎狐(菊之助)がポンッと飛び出し、尾上神社(謡曲「高砂」に登場)の鐘(重文だそうです)を守る使命を伝えるので、やむなく狐親子は去る。
尾上神社鐘楼の場は一転、いっぱいの紅葉が美しいスペクタクルへ。お辰・国松が逃げ込み、与九郎が大活躍で大蔵、伴蔵を撃退。通力ですべては内膳の企みと知れる。
短い休憩の後、怒涛のクライマックス。印南邸奥座敷の場で行方不明だった跡取り・八重菊丸と忠臣・源吾が現れ、ワルの内膳が香炉を渡すが、真っ赤な偽物。パンッと桃の花びらが飛び散り、萬太郎さんが驚くのが可笑しい。内膳がついに国崩しに転じて拍手! 正体は前の城主の息子で、復讐と城奪還が目的と明かす。
大詰・播磨潟浜辺の場は舞台を埋め尽くすフワフワの桜、見上げる真っ白な姫路城が輝かしい。桃井家一同に旧臣・三平(松緑)、灘平(彦三郎)が加わって、ずらりと並び、渡りセリフでお家再興を宣言。なんと幼い国松が健気にも、「後日の戦場での再会」を約し、内膳が三段に上って格好良く幕となりました。

20190103_002

20190103_051

20190103_078

20190103_099

20190103_126

« 2018年喝采づくし | トップページ | 志の輔らくご「モモリン」「井戸の茶碗」 »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 歌舞伎「姫路城音菊礎石」:

« 2018年喝采づくし | トップページ | 志の輔らくご「モモリン」「井戸の茶碗」 »