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サメと泳ぐ

関西テレビ放送開局60周年記念公演 サメと泳ぐ    2018年9月

ジョージ・ホアンの1994年公開映画をマイケル・レスリーが2008年に舞台化、手練れの千葉哲也がスタイリッシュに演出した。ハリウッドに生きる者が誰しも抱える激しい野心と露骨な裏表を、笑いをまじえつつシニカルに描いて、見ごたえがある。田中圭の頼りなさと色気が全開、田中哲司の巧さ、野波麻帆の存在感も際立ち、いいチームワークだ。翻訳は徐賀世子。
「おっさんず」効果なのか、田中圭ファンの女性が目立つ感じで、立ち見も多い世田谷パブリックシアター、中央あたりで8800円。休憩を挟んで約3時間。

脚本家志望のガイ(田中圭)はヒットメーカーの大物プロデューサー、バディ・アッカーマン(田中哲司)のアシスタントになり、芸術性の高い企画を持ち込んできたフリープロデューサー、ドーン(野波)と恋に落ちる。製作部門トップを狙うアッカーマンは、サイラス会長(千葉)に突然、良質な作品を求められ、ガイを使ってドーンの企画を奪いにかかり…。
田中圭は欲とプライド、恋と誠意の間を激しく揺れ動いて舞台を牽引。セリフのない間もモジモジ動く仕草が惹きつけ、自信を得たり自棄になったり、振れ幅も大きい。田中哲司は傲慢と俗物ぶりを存分に。ガイに反撃されるも、最後までしたたかで、大人っぽさに説得力がある。「人生は、映画じゃない」というセリフが、現実を突きつける。ほかに先輩アシスタントと脚本家の2役で石田佳央ら。

メタリックな2階建てセットで、上手がアッカーマンのオフィス、下手がドーンの部屋。奥から人が出入りする中央通路を、鮮やかな青や赤で照らすなど、照明にメリハリが効いていてお洒落だ。美術は石原敬、照明は松本大介。中央の長テーブルに置いた卓上ベルで場面を切り替えるのも巧い。アッカーマンがコレクションしているゼンマイ仕掛けのおもちゃが、あがき続ける道を選んだ者の虚無を印象づける。
客席には白井晃さんらしき姿も。

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