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サマータイムマシン・ワンスモア

ヨーロッパ企画20周年ツアー「サマータイムマシン・ワンスモア」  2018年9月

2001年初演で映画化もされた、劇団代表作コメディの後日談を観る。上田誠作・演出。ちゃちいタイムマシンの脱力感、時間を行ったり来たりするパズルの精緻さ、そして徹頭徹尾くだらなくも仲のいい、文系部活の雰囲気にニヤニヤしちゃう。男性が目立つ本多劇場の、下手寄り後ろの方で4500円。劇団史上初という休憩をはさんで3時間近いけど、長くは感じない。
物語はあの夏の日、ごちゃごちゃしたSF研のラストシーンから始まる。そして15年後。同窓会で彼らが久々に部室を訪れ、現役生をからかっていると、なんとあのマシン、そしてトボケたおかっぱの未来人・田村(本多力)がやってくる。しかも今度はマシンが3台に!
そうなると乗り込まずにはいられない。目指すは相変わらず、取るに足らないこと。歴史を変えちゃいけないからね。駄目になっちゃった自信作のフィルムを取り返すとか、学園祭で見損なった謎のレディー・ガガそっくりさんを見るとか。繰り広げられる小さな失敗と取り繕い。サバイバルはパワーアップし、「平成最後の年」ネタも押さえてます。いやー、笑った。
複雑なパラレルワールドで、過去の自分と現在の自分が早着替えで出入りするのが見事。大学敷地のショッピングモール化計画と、小暮(酒井善史)が地味に研究してきた鰻の養殖が絡み合い、ラストは柴田(早織)の恋の伏線まできれいに回収される。お馴染み、リモコンのオチがお洒落だ。
オーラ皆無の普通人の群像が微笑ましく、ささやかな希望に夢中になれることの愛おしさに、説得力がある。しっかり者・木暮の酒井が軸となり、モノクロにこだわるカメラ部・照屋の小太り角田貴志がいいトボケぶり。現役陣ではカメラ女子・箕輪の藤谷理子がキビキビと動き、対照的にSF研でくすぶってスイッチをしていた聡太・城築創のオタク感もチャーミングだ。関西弁のビジネスマン・蛭谷の岡嶋秀昭はひとり大人っぽいかな。
ロビーに掲示された大泉洋らの、20周年に贈る言葉がとても温かいのも、劇団の個性なんでしょうね~

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