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エビータ

ミュージカル「エビータ」  2018年7月
作曲アンドリュー・ロイド=ウェーバー、作詞ティム・ライス、96年にはマドンナ主演で映画化もされた著名作。初の来日公演の、千秋楽に滑り込んだ。演出はハロルド・プリンスによる1978年の初演バージョン。ミュージカルファンが集まった感じの東急シアターオーブ、前のほう中央のいい席で1万3500円。休憩を挟んで2時間半。
愛人の娘エヴァ(エマ・キングストン)が男を利用してモデル、女優へと成り上がり、美貌と弁舌を武器に大衆の人気を獲得。1946年、パートナーのフアン・ペロン(ロバート・フィンレイソン)をついに大統領に押し上げるが、33歳の若さで病に倒れる。なんともドラマチックな人生を、「アルゼンチンよ泣かないで」「ブエノスアイレス」など名曲で描く。
ゲバラをモデルにした無精髭、戦闘服の男チェ(ラミン・カリムルー)が、終始冷めた態度で狂言回しを務める仕掛けが巧い。現実のゲバラはエヴァと接点はなかったものの、ペロン政権で軍医になるのをよしとせず、南米を放浪したという。
初演当時はフォークランド紛争の数年前。ロンドンからみたアルゼンチンのイメージは、軍政の腐敗や弾圧、経済運営の失敗など、問題だらけだったろう。そのせいか戯曲は、エヴァの虚栄心や権力の私物化も赤裸々に描く。だからこそ、プライド高く、力を振り絞って夢を追い、社会を鼓舞する姿が感動的だ。自分の価値観で「遅れている」からといって、他者を見下すことは誰にもできない。
ロックをベースとしたナンバーの中に、タンゴが挟まるのが効果的。「レ・ミゼラブル」などのカリムルーに色気があり、骨太で、耳に残るいかにもミュージカルらしい歌声で舞台を牽引する。イラン生まれなんですねえ。エマは母親がアルゼンチン人とか。クールな美貌で、ハイトーンがとても力強い。タイトロールとしての求心力は今ひとつだったかな。
カーテンコールでカリムルーがベレー帽を客席に投げ入れ、大盛り上がりでした~

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