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フリー・コミティッド

FULLY  COMMITTED フリー・コミティッド  2018年7月

実力派の成河が、マンハッタンにある四つ星レストランの予約係サムの、散々な1日を演じるシチュエーションコメディ。ひっきりなしにかかってくる電話の相手全38役を一人で演じ分け、持ち前のきびきびした動きと声が痛快だ。
ベッキー・モードの1999年初演作を「スルース」などの常田景子が翻訳、「怒りをこめてふり返れ」などの手練・千葉哲也がお洒落に演出する。主催はミュージカルが得意なシーエイティプロデュース。おひとりさま女性が目立つDDD AOYAMA CROSS THEATER、上手後ろの方で6900円。休憩なしの2時間。
大物芸能人やマフィアを常連に抱えるレストラン、というスノッブな設定が、いかにもニューヨークっぽく都会的だ。
でも舞台は雑然として、さえない予約係オフィスのワンセット(美術は原田愛)。しかも同僚がズル休みし、サムはランチをとる暇もなく、我儘放題のセレブ客、ナルシストのオーナーシェフ、オーバーブッキングでぎりぎり一杯の給仕長らに振り回される。笑いがふんだんで、三谷幸喜が好きそうなノリだなあ。
サムを追い詰めちゃうのは忙しさだけじゃない。本業は売れない俳優で、大事なオーディション結果の知らせを待っている。加えて、のんびりした口調の父親が、クリスマスに帰省するかを気にして何度も電話を寄越す。おそらく母親が亡くなって初めての大事なクリスマスなのに、予定はたたない… 平凡だけど夢を追う者の、ちりちりする焦燥。観る者は感情移入せずにいられません。
そしてなんとか乗り切ったことで、転がり込む幸運。急に気弱になるシェフら、人物がなんとも愛らしく、よくできた脚本です。200席程度という劇場の親密さもいい。
客席には小池栄子さんらしき姿も。

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